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「もう一度…? じゃぁあなたは、あの時のムクドリの生まれ変わりなのね…?」
「そうだよ。あの時の事で、僕は君を恨んでなんかいない。それをどうしても伝えたくて産まれてきたんだ」
恨んでない…? 私の事を? だって私のせいで、猫の餌にされてしまったのに……。
「あれは僕の運命だったんだ。どのみち僕は、ケガで助からない命だったんだから。助けようとしてくれた君の気持ちと腕の温もりは、僕の最後の救いだった…。だから、もう自分を責めなくていいんだよ…」
I wish I were a bird.
私は今迄に幾度も唱えてきたその言葉を、心の中で呟いた。
I wish I were a bird.
すると私の体はいつの間にか、目の前のムクドリと同じ大きさになっていた。見ると翼もある。
私は鳥…。鳥になれたんだ。
そして私から産まれたムクドリが言った。
「さぁ、一緒に行こう」
もう何にも囚われる事は無い。私は自由なんだ。
そうして私は”彼”と一緒に、小さな窓から飛び立った。
広い広い青空へと―。
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