はじまり

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社交界も間近となったある日、皆さんの世界で言うところのお金持ち専用超人気ドレス店、予約は3年待ち、くらいの人気を誇る アクアライトという店の店主、ミス・バーレーを我が家にお招きしてドレスの最後の調整をしている時に事件はおこった。 血相を変えて大きな声で何かを叫んでいる父が私の部屋にノックも無しにいきなり入ってきたのだ。 部屋にはしきりがあるものの これには流石のお母様も、そして出来る侍女クロガネも笑顔を崩さず父の耳を引っ張ってどこかへ連れてってしまった。 私はミス・バーレーと顔を見合わせお互い苦笑いをうかべ その後なんだかそれが少しおかしくって 2人で笑いあっていたんだ。 この時の私はまさかこの後、頭をドンキで殴られたような衝撃発言を父から言われるなんて思いもしなかった。 最後の調整が終わり、ミス・バーレーがお茶も飲まずに意気込んで帰っていくのを見送ると、後ろから声をかけられた。 「ルウナ様、旦那様と奧様がお呼びです。」 「あら?ありがとうヤマダサン」 この七三に黒メガネのイケメンは執事長のヤマダサン 鉄壁のクロガネに完璧すぎるヤマダサン お父様があんなんでも我が家が保ってられるのは2人のおかげといっても過言ではない 「そうだわ、ヤマダサン、お父様は大丈夫でしたの?」 ヤマダサンはフッと微笑むと 「アリアドネ様とクロガネを以てしてもロイド様はロイド様でございます」 つまり、脳筋はなおらない という事だと察した。
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