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一つは人付き合い。 表情と感情が違う人間は多くて、笑顔を浮かべていても怒っていたり、嫌悪感を持っていたりする。 どんなに優しく笑っていても、心まで同じとは限らない。 そう思うとつい相手を見ずに感情だけを視てしまい、上手く反応を返すことが出来なくなった。 そしてもう一つは自分自身。 私には自分の感情が視えない。 正確に言えば視えないわけじゃなくて、真っ黒に視える。 怒っていても、喜んでいても、全て黒。 私の感情が動くと、黒い靄のようなふわふわが周りを漂う。 他の人達のような八つの色のどれでもない、暗い暗い黒。 それを目にすると、本当はあの事故で自分は死んだから感情の色がおかしいのだと突きつけられている気になってしまう。 他の人は色とりどりの感情に彩られているというのに、私だけ真っ黒。 もし死んでいるならなんでこうして動けるのか、死んでないなら何故感情の色が黒いのか……自分自身が何か不気味なものになってしまったように感じて不安なのだ。
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