希望の光

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希望の光

小さな頃から絵は好きだったけれど、とりたてて上手なわけじゃない。 絵画教室にも行っていないし、漫画やイラストを描いているわけでもなくて、学校で使う12色セットの水彩絵の具での絵を描く。 そう、見たまま。 だから数年前から私の絵には風景とシルエットだけの人、そして感情の色を示した大小さまざまな色とりどりの水玉模様が描かれている。 どうやらそれが奇抜な表現に見えるようで、そう描くようになってからこうして時折展覧会に選ばれるようになった。 けれど私は評価されたくて描いているわけじゃない。 理解してくれる人を探しているのだ。 私と同じように世界が視える人を。 そして訊ねたい、あなたも自分の感情が黒く見えるのかと。
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