9つ目:ニセモノに会ってみた

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9つ目:ニセモノに会ってみた

※本話は実話ではありません……と言いたいところですが、実話です。 --<評価>--------------- 難易度:中 メリット:特になし デメリット:信用を損なう --------------------------- 「ニセモノ」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべるだろうか? 私は聖闘士星矢のブラック聖闘士を思い浮かべた。 ネットを調べたら、ダイの大冒険の偽勇者、ONEPIECEでも偽物キャラが出てきた。 ニセモノとは本物になりすまして、何らかの悪事をはたらく人だ。 本話に関しては「死ぬ前にやりたいこと」ではなく、どちらかというと被害を被った話しだ。 ニセモノに会ったという意味では貴重な経験かもしれない。 それでは、スタートしよう。 ** 「〇〇さん(私の名前)。麴町警察から電話です」 私が会社にいたら職員から電話が転送されてきた。 警察から私宛に電話が掛かってきたらしい。 私は犯罪とは無縁な善良な市民……のはず。 なんだろう? そう思いながら私は受話器を取った。 「麴町警察署の刑事二課の〇〇と申します。〇〇さん(私の名前)ですか?」 「そうです。何でしょうか?」 「△△という会社をご存じですか?」 刑事さんは建設会社の会社名を言った。 私は刑事さんに質問された△△を思い出すが記憶にない。 「いえ、その会社名は初耳です」と私は正直に答えた。 「社長の□□さんはどうですか?」 珍しい苗字だったが、私の付き合いのある人の中に□□さんはいなかった。 「その名前も聞いたことがありません」 「実は、一週間前、□□社長が〇〇さん(私の名前)を名乗る人物から投資組合への出資を提案されたらしいです」 「組合出資の勧誘? 個人に勧誘ですか?」 「ええ、土地の転売資金を出資してほしい、というものです」 「組合で土地を転売するんですか?」 「らしいです」 「法人格がないのに、どうやって登記するんですか?」 「いや、それを聞かれても……」 ※組合は法人格がないので所有権移転登記ができません。 刑事さんの話では、誰かが私を語って出資を募っていることが分かった。 私は「こちらでも調べてみるので、何か情報があれば刑事さんに連携します」と言って受話器を置いた。 話がよく分からないかもしれないので、少し説明しておこう。 私の会社は上場・非上場会社、不動産、債権などに投資する投資会社だ。投資対象によって組合を使うことはあるが、個人や一般企業の資金を運用していない。 さて、話を続けよう。 <続く>
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