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9つ目:ニセモノに会ってみた
※本話は実話ではありません……と言いたいところですが、実話です。
--<評価>---------------
難易度:中
メリット:特になし
デメリット:信用を損なう
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「ニセモノ」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべるだろうか?
私は聖闘士星矢のブラック聖闘士を思い浮かべた。
ネットを調べたら、ダイの大冒険の偽勇者、ONEPIECEでも偽物キャラが出てきた。
ニセモノとは本物になりすまして、何らかの悪事をはたらく人だ。
本話に関しては「死ぬ前にやりたいこと」ではなく、どちらかというと被害を被った話しだ。
ニセモノに会ったという意味では貴重な経験かもしれない。
それでは、スタートしよう。
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「〇〇さん(私の名前)。麴町警察から電話です」
私が会社にいたら職員から電話が転送されてきた。
警察から私宛に電話が掛かってきたらしい。
私は犯罪とは無縁な善良な市民……のはず。
なんだろう?
そう思いながら私は受話器を取った。
「麴町警察署の刑事二課の〇〇と申します。〇〇さん(私の名前)ですか?」
「そうです。何でしょうか?」
「△△という会社をご存じですか?」
刑事さんは建設会社の会社名を言った。
私は刑事さんに質問された△△を思い出すが記憶にない。
「いえ、その会社名は初耳です」と私は正直に答えた。
「社長の□□さんはどうですか?」
珍しい苗字だったが、私の付き合いのある人の中に□□さんはいなかった。
「その名前も聞いたことがありません」
「実は、一週間前、□□社長が〇〇さん(私の名前)を名乗る人物から投資組合への出資を提案されたらしいです」
「組合出資の勧誘? 個人に勧誘ですか?」
「ええ、土地の転売資金を出資してほしい、というものです」
「組合で土地を転売するんですか?」
「らしいです」
「法人格がないのに、どうやって登記するんですか?」
「いや、それを聞かれても……」
※組合は法人格がないので所有権移転登記ができません。
刑事さんの話では、誰かが私を語って出資を募っていることが分かった。
私は「こちらでも調べてみるので、何か情報があれば刑事さんに連携します」と言って受話器を置いた。
話がよく分からないかもしれないので、少し説明しておこう。
私の会社は上場・非上場会社、不動産、債権などに投資する投資会社だ。投資対象によって組合を使うことはあるが、個人や一般企業の資金を運用していない。
さて、話を続けよう。
<続く>
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