14人が本棚に入れています
本棚に追加
4つ目:起業してみた(その1)
--<評価>---------------
難易度:高(運と時間が必要)
メリット:自己満足
デメリット:疲れる
---------------------------
今月の6月18日、知人の会社が上場した。
私が最初の会社を設立したのが今から17年前。私の会社とその会社の設立日が数日違いだった。
なので、上場のニュースを見てちょっと嬉しかった。
だから、今回は起業について書いてみようと思う。
起業を考えている人が見たら、少しは参考になるかもしれない。
興味の無い人は本話を飛ばしてほしい。
ところで、私の話(オジサンの武勇伝)を書くと読む人がイライラしそうだ。
だから、一般的な話や他社の話を前提に、偏見をもたずに書くことにする。
私は仕事柄、数百社、数千社に関わっている。
会社設立のとき(起業)に関わることもあるし、会社を清算するときに関わることもある。「ゆりかごから墓場まで」のような職業だ。
さて、これが起業する人に意識してほしいことだ。
【起業するときは〇〇〇を決めておかないといけない】
〇〇〇に入るのは「辞め時」だ。
会社を設立するときに清算することを考えておけ、とは縁起が悪いかもしれない。
ただ、これには理由がある。
ここでは以下の2点について書こうと思う。
1.会社が成功するかどうかは運である
2.会社が成功するには時間が掛かる
まず、1点目から説明しよう。
1.会社が成功するかどうかは運である
ここでの話はあくまで私の意見だ。主観の部分が強いので、「そうじゃない!」と思う人もいるかもしれない。ご了承いただきたい。
会社を設立してから1年後にその会社が存続している(休眠状態ではなく営業を継続している状態)は約30%だ。
3年後になると約10%になる。
つまり、10社に1社しか残らない。
会社が存続しない理由は幾つかある。たとえば、
・思ったよりも業績が伸びない
・役職員が辞めていく
・取り分で揉めて仲間割れする
・従業員がお金を持ち逃げする
純粋に事業が失敗して清算するケースはそんなに多くない。
起業には不確定要素が多い。何がネックになるか分からない。
実際に、私は起業して1年で仲間割れして分裂した。
起業する人は夢や希望に溢れている。そして、「これは絶対に売れるはず!」とか「僕なら成功するはず!」と考えている。
しかし、重要な点を見逃している。
まず、神様でもなければ未来を予想することはできない。勘のいい人でも成功率は70%くらいだろう。
「これは絶対に売れるはず!」とか「僕なら成功するはず!」はやってみないと分からない。
例として、パン屋を始めた人の話をしよう。
その人は某有名パン屋さんで修行し、技術を習得したパン職人だった。
某有名パン屋さんの中でもかなりの腕前で、「私の焼くパンはどこよりも美味しい!」と自信を持っていた。
そして、このクオリティのパンを提供するパン屋は「成功するはず!」と信じていた。
でも、失敗した。
失敗した理由はなんだろうか?
他のパン屋さんも美味しいからだ。
自信のないパン職人は独立(起業)しない。
まず、これを考えてみてほしい。
――自信の無い人は起業するだろうか?
起業する人はそれなりの腕前、スキルを有している。
社内で「この人は仕事ができる!」、「この人は優秀だ!」と言われていた人が起業する。熟練のパン職人が起業(お店を出店する)するイメージだ。
※もちろん、そうでない場合もある。
つまり、既に存在する会社は、仕事ができる人、優秀な人が作った会社だ。
起業すると、優秀な人が溢れている市場に参入することになる。
その中で生き残れるのは以下のどちらかだ。
・とんでもなく仕事ができる人
・運のいい人
「とんでもなく仕事ができる人」の起業家は稀だ。数が少ない。
大多数の起業家の優秀さのレベルは変わらない。みんな同じくらい優秀だ。
仕事ができて当然、その中で生き残るのは「運のいい人」ということになる。
つまり、会社の成功に必要なのは「運」だ。
「良いサービスなんだけどなー」という起業家は多い。
でも、考えてほしい。
その会社のサービスもいいけど、他社のサービスも良いのだ。
両者のサービスの差が分かる消費者はいない。
『3月のライオン』で山崎順慶五段の有名なセリフがある。こんなセリフだ。
------------------------------------------
「信じれば夢は叶う」それは多分 本当だ
但し 一文が抜けている「信じて努力を続ければ夢を叶う」——これが 正解だ。
さらに言えば 信じて「他のライバルよりも1時間長く毎日努力を続ければ ある程度迄の夢は、かなりの確率で」叶う——だ
--------------------------------------------
これは会社経営に似ている。
・優秀な人が起業する
・優秀な人は他社に勝つために努力する
・優秀な人は成功することを信じて努力する
そして、成功するのは「かなりの確率」ではなく「それなりの確率」だ。
だから、運が重要になる。
会社が成功するかどうかは運しだいということだ。
<つづく>
最初のコメントを投稿しよう!