ZERO

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しかし、その半分の年月、寝室は別だ。 そしていつからレスだっけ……。 考えてもむなしくなるだけで、私は一応礼儀だからとノックをして、扉に手をかける。 「返事ぐらいして? 開けるよ?」 え? 嘘でしょ?ガチャガチャと音を立ててノブを回して唖然とする。 この部屋は鍵などついていなかったはずだ。 とうとう鍵を自分でつけたのか……。 その事実に、自分の感情がどんなものかわからない。悲しい気もするが、どうでもいいかと問われたらそれも嘘ではない。 複雑な気持ちのままな、私は玄関で靴を履くと無言で家を出た。
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