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今日の天気は晴れ。最高気温30℃
今年も夏が来た。
しかし、俺は太陽の色を知らない。
眩しいということが分からない。
ドンッ!
その時、俺に何かが当たった。
「いたたっ……」
俺は声をする方に視線を向けた。
そこには、うずくまっているひとが見えた。
色のせいで性別までは分からない。
声からすると、男性だろうか?
俺はかがんで、その人物に声を掛けた。
「あの、大丈夫ですか?」
「あ、はい。すみません、僕の不注意で。あなたの方こそ、お怪我はありませんか?」
「俺はなんとも。それよりも、あなたの方が…」
「よかった。」
その時、その人物の顔を俺はしっかりと見た。
黒色でもわかる。
目がとても綺麗な、男性だった。
「あの、どうかしましたか……?」
立ち尽くしている俺の腕に、彼が触れた。
「やっぱり、怪我してるじゃないですか!?」
「怪我?」
「ここ、血が出てます。」
彼は俺の左肘を指さした。
「ねぇ、血ってどんな色?」
「どんなって……」
彼は言葉をつまらせた。
俺は続けざまに、彼に問いかけた。
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