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改まり、一隊員へ名乗りを上げる縁。此れには当の隊員は勿論、護衛の大志と琢磨も驚いた。口を開け其れを眺めるも、慌てて隊員も再び縁以上に頭を下げる。
「な、名乗りが遅れ、大変な御無礼を……っ、私は、望(ノゾム)と母より名を賜りました……!」
何処かのんびりした雰囲気の青年であったが、今彼は全ての神経を尖らせて居るだろう。直立不動からの拝は、固まって居る様にも見えて。
が、縁はそんな雰囲気もそこそこに。
「そう硬くならず……貴方が、此方の武器の管理をなさって居られるか?」
「えっ……?あ、はいっ。此処にある武器の管理や番は、私を含め交代制の三人であたっておりますっ!本日は、此の私が担当させて頂いて居りまして……!」
緊張しながらも、そう縁へ説明。縁は、目を輝かせ望へと身を前のめりに。驚きと共に、僅かに後方へ引く望。縁が発したのは。
「此方の武器の手入れ等、其の職務を私にも御教授頂けませぬかっ」
等と、飛んでも無い依頼を宣い出した。一瞬、其処に居た縁以外の三人は固まるも。
「な、何を仰いまするかっ!そ、そんな事を奥方様がなさる等……!」
大志が狼狽え、身振り手振りも加え説得を。
「斯様な雑用で御怪我等なされば、紫電様が……!」
激怒なさるに違い無いと、琢磨も同じく。依然固まったままの望は、まだ言葉が出ず。しかし、縁は二人を振り返り。
「此処での私は新参者です。更に、隊員方の様な武の才も無い……だが、私は此処に居場所が欲しい。戦闘の才は無くも、皆様と汗を流して国へ奉仕したいのです……!」
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