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うだるような暑さが続く2050年の夏。
東京の街は熱気に包まれ、人々はどこか浮き足立っていた。
黒木蓮は、冷房の効いた事務所で、窓の外を眺めていた。
黒ずくめのスーツに身を包んだ彼は、一応探偵だった。
「また面倒な事件になりそうだ」
手元の資料に目を通しながら呟いた。
それは、都内にある巨大複合施設「クロノスタワー」で起きた不可解な連続失踪事件に関するものだった。
クロノスタワーは、オフィス、商業施設、ホテル、そして高級マンションが一体となった巨大な建物だ。
東京の新たなランドマークとして人気のスポットである。
しかし、その華やかなイメージとは裏腹に、最近では不穏な噂が流れていた。
「黒木、今回の事件、何か裏がありそうだな」
事務所のドアが開き、石田剛が入ってきた。
彼は、黒木とは旧知の仲だが、正反対の熱血漢の刑事だった。
「ああ、石田。君もそう思うか?」
黒木は、石田に資料を手渡した。石田は、資料に目を通しながら、眉間に皺を寄せた。
「連続失踪事件…しかも、被害者は全員、クロノスタワーの関係者。
ただの偶然とは思えないぜ」
「俺もそう考えている。何か大きな力が働いているような気がする ───」
黒木は、窓の外に目をやった。
夕日に照らされ真っ赤に色づいたクロノスタワーは、血のような影を落としていた。
そして二人は、クロノスタワーへと向かう。
その施設は、まるで巨大な迷宮のように入り組んでいた。
黒木は注意深く観察して、手がかりを探していく。
石田は持ち前の行動力で、関係者への聞き込みを進めた。
調査を進めるうちに二人は、クロノスタワーの裏にある闇に気づき始める。
黒木と石田は、想像を絶する陰謀を暴き、事件の真相を明らかにしていく。
しかし、彼らの行く手には、様々な罠が待ち受けていた。
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