お茶派の私は、ブラックコーヒーが苦手だった

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翌日、青木が出社してきた。 「課長、ご迷惑をお掛けしました」 朝礼の時、青木は課長に頭を下げる。 「もう大丈夫なのか」 「はい、あとこれ、昨日宮本から渡された資料になります」 「仕上げてくれたか」 「はい、仕上げました」 「みんなにも謝っとけよ」 「皆様、3日も休んですいませんでした」 そう言って、青木は事務所にいる社員に向かって頭を下げる。 拍手する者、笑う者、そして「何食って腹壊したんだよ、早く嫁さん見つけろ」とひやかす者もいた。 「ハハハ」と笑ってごまかす青木の姿に、私はこらえきれず「ぷっ」とふいてしまった。 ひやかされる青木の様子が滑稽に思えて仕方なかった。 「はい、みんな仕事に取りかかれ」 課長の一言で空気が一変する。 皆が席につき、各々の仕事に取り掛かる。 もちろん私も、そして青木も自身の席についた。
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