第1話 私のお仕事

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 ◇ 「リッカルドさま! とてもお上手ですねぇ!」  ニコニコと笑ってそう言えば、目の前の男の子が嬉しそうに笑ってくださる。 「うん!」  楽しそうに積み木を積んでいた男の子――リッカルドさまが、嬉しそうにお返事をくれた。  色彩的には旦那さまに似ていて、お顔立ちは奥さまに似ている。特に、笑い方なんて奥さまそっくり。 「ふふっ、では、次はどうします?」 「つぎはねぇ」  リッカルドさまは楽しそうに笑ってくださる。その笑みは、本当に魅力的だ。  ……なんだろうか。将来、とんでもない美男子に成長されるような気もする。 (ううん、絶対に美男子だわ……)  三歳児にして、とんでもなくお顔が整っている。  将来が恐ろしい……と思いつつ、私はリッカルドさまの積み木遊びを見守っていた。  これは、本来私の仕事ではない。私は奥さまの専属侍女という立場なので、ご令息であるリッカルドさまの担当ではないのだ。  けど、乳母が少し席を外す……というので、私は代わりにリッカルドさまのお世話をさせていただいていた。  私は保育のプロじゃない。だから、少し怖いと思う気持ちもある。……ただ、リッカルドさまは基本的に危険なことはされない。  きっとだけれど。うっすらと、自分の立場が変わりつつあることを、理解されているのだと思う。
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