第2話:ここから始まる第二の人生!

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 「聖女マリアと魔法の国」は有名な監督が手がけていたことや、キャラクターや魔法シーンの美麗なイラスト、聖女マリアを取り巻くイケメン達とのやり取りに、多くの女性が虜になっていた。  私も仕事のストレス発散とばかりに、乙女ゲームをやっていた訳だが。ゲームのシーンをこの目で見てみたいという気持ちもあるものの、実際には魔獣との戦いもあり危険も多い。  それに、自分はゲームの冒頭だけ出てくる「脇役令嬢」だったのだ。ここは大人しく、第二の人生を謳歌する方が幸せだろう。 *** 「エリアナ様、そろそろご飯を食べに行きませんか?」 「あら、随分と時間が経っていたようね。 ご飯を食べに行きましょうか。グラニットにはどんな食べ物があるのかしら」  私達は掃除がひと段落した段階で、街の中心地にある小さな食堂に向かった。  食堂では野菜スープやパン、焼いたお肉などを食べることができるようだ。それらをオーダーして食べてみると、味気ないものばかりだった。 (そういえば、公爵家の食事も手の込んだものは少なかったかも。それ以上に、ここの食堂は食材を茹でたり焼いたり、簡単なものだけだわ。  日本と同じような食材が揃っているのに、どうしてこんなに料理は質素で不味いのかしら……)  今まではなんとも思わなかった食事に対して、前世で『食べるのも料理するのも好きだった自分』を思い出してからは、違和感ばかりだった。
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