第20話:大切な存在

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 突然の質問に目を丸くしているマリア様。すると、驚きから穏やかな微笑みに切り替わった。 「今後ですが、元の世界には戻らず、この世界で生きて行こうと思います。時間軸のズレがどれくらいあるのか、分からないというのも怖いですし……  何より、この世界にはエリアナ様もいますからね! 後、推しのアンジェロ様も!」 「まぁ、そう決められたのですね!」 「はい。お二人だけでなく、皆さん良い人ばかりですし。もちろん、今のところ無属性なので、生きづらい場面も多いかと思いますが……。それと、アンジェロ様の件ですが」 「はい……!」 「クリス様にも、アンジェロ様が好きなことは伝えました。なので、ここはアンジェロ様にもきちんと想いを伝えたいなと思っていて……今度デートして頂けませんかと思いきって誘ってみたんです!」 「まぁ! それで!?」 「はい、喜んでと言ってもらえたんです……!! もう、推しとデートだなんて、私卒倒しそうでした……」 「マリア様、すごい! 大きな一歩ですわ!!」  つい拍手をしてしまう。前世で言うところの『女子会』のようなノリになっていた。 「エリアナ様は今後どうされるのですか? カイ様と結婚をして、皇太子妃に?」 「はい、そのつもりです。マリン帝国には行ってしまいますが、定期的にキアラ王国には聖女として浄化に訪れる予定です」 「そうなのですね! 今のように気軽には会えなくなってしまいますが……また、会えますよね?」 「えぇ、もちろんです。ぜひまた近況報告をしましょう!」 「あ、そうだ。出来ればエリアナ様にお願いがあるのですが……」 「??」
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