第6話:可愛いって、私のことですか?

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「ご、ごめんなさい、もう誰もいないと思って! カーディガンを!取りに!」 「あぁ、これのことかな?」  近くに置いてあったカーディガンをカイ様が取りに行き、私の様子を見て「フッ」と笑みを溢した。そして、カーディガンを持って近づいてくる。 「あの、すみません、また後で……」 「エリアナ、はいどうぞ」 「あ、ありがとうございます……」  見上げると、ニヤリと笑うカイ様の顔が目の前にあった。心臓が飛び出るかと思うくらい驚いて、私は完全に固まってしまう。 「エリアナ、顔が真っ赤。可愛い」 「へっ…? かわいい……??」 「そうだ、エリアナにはこれも渡しておくね」  カーディガンを持つ手とは反対の手で、魔石のついたネックレスを見せられた。 「これは何ですか? 魔道具ですよね?」 「そう、エリアナに危険なことがあった時、これを少し握りしめてもらえば、私の指輪の色が変わるようになっている。少し会話もできるよ」 (何これ、前世で言うところのスマホみたいな!? す、すごい……)  驚いていると、カイ様に肩を掴まれクルッと後向きにさせられた。 「え!? カイ様?」 「ネックレス、早速つけて欲しい。エリアナに何かあっては困るから」 「は、はい……」  カイ様の体温がとても近くに感じられて、心臓の音が耳の真横で聞こえるかのように、ドクドクと激しく脈打っていた。 「あの、ありがとうございます」 「今日はゆっくり休むんだよ? おやすみ」 「は、はい……おやすみなさい……」
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