第10話:エリアナの潜入捜査

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「ありがとう、ケイティ。でも、ここではではなくて、オフィーリアと呼んでちょうだい」 「はい、オフィーリア」 「そういえば、ケイティは名前を変えなくて良かったの? あと、クリス様があなたを見たら気づくんじゃないかしら。公爵家でお会いしたことあるでしょう?」 「何度かお見かけしたことはありますが……クリス様が私のことを覚えていると思いますか?」 「うーん、それは確かに怪しいわね」  王太子の周りには沢山の侍従・侍女や護衛騎士がいるし、一介の、しかも公爵家の侍女まで覚えるのは流石に難しい気がする。  少しでも変装しておけば、クリス様対策は大丈夫な気がしてきた。  こうして二人で雑用をこなしていたが、そこで侍女長に声をかけられた。 「オフィーリア、ケイティ、王太子殿下への配膳を手伝ってちょうだい」 「「はい、かしこまりました」」 「……ケイティ、王太子一団に近づくチャンスね!」 「はい、それにしてもオフィーリア、とても楽しそうですね」 「潜入捜査だもの、わくわくしちゃうわ!」 「……くれぐれもバレないよう、気をつけて参りましょう」  クリス様達の食事を配膳するため、カートを押しながら歩いていく。蓋があって食事の中身は見えないが、良い匂いが漂っていた。 「あぁ、ケイティ。やっぱり王家の人々はとても美味しいものを食べているのね! 国民とは大違いだわ。何が入っているか、とても気になるわね」 「オフィーリア、開けてはいけませんよ」
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