第10話:エリアナの潜入捜査

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(無属性となったら、クリス様以外の男性陣の態度も頷けるかもしれない。  聖女として召喚したはずなのに、光魔法はおろか、何一つ魔法が使えないということなのだから……。それにしても、『マリア』という名前だけで召喚してしまったのだろうか?) 「マリア様、ご家族に会えないのは辛いですね。私も家族とは今離れて暮らしていますが、たまに顔を思い出すと、ふと寂しい気持ちに襲われることがあります」 「オフィーリアさんも?」 「えぇ。ですので、マリア様の悲しい気持ちは計り知れないのだと思います。元の世界に帰る方法は無いのでしょうか?」 「帰る方法は無いのかもしれません……他の国では聖女様がその後もずっと、その国に残っていると聞きました」 「でも、マリア様は聖女様の力がまだ発揮されていない、ということですよね。こんなことは軽率に言ってはいけないと思いますが……もしかしたら、帰れるかもしれませんよ?」 「えっ……確かに、聖女じゃなければ帰れますかね……? その発想はなかったです……」  聖女でないのなら、この国が彼女を無理に留まらせる理由もない。召喚させる方法があるのなら、帰る方法も実はあるのではないだろうか? 「魔獣騒動が落ち着いたら、クリス様か魔法使いのニール様に相談されても良いかもしれませんね」
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