第13話:海の幸と不思議な魔法

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「魚をオリーブオイルやニンニクでソテーして、ワインやトマト、貝類と一緒に煮るの。魚の旨みがしっかり出るし、パンに浸して食べても美味しいわ。他には何にしようかしら……」 「いや〜〜お嬢ちゃん、料理に詳しいんだな!」 「お嬢ちゃんではなく、“エリアナ様“とお呼びください!」 「おっ、おう……」  アクアパッツァとパンだけでも十分かもしれないが、せっかく新鮮な魚介類があるのだ。他にも色々と試したくなってしまった。  市場を再度見渡すと、先ほどのトマトとオリーブだけでなく、他の街から取り寄せたチーズや、なんとお米まで発見した。 「まぁ! コムギだけじゃなくて、ここにはライスもあるのね! よし、決めたわ。カプレーゼとパエリアも追加しましょう!!」 「カプレーゼにパエリア?? 先ほどのアクアなんちゃらとは違うのかい?」 「えぇ! でも、どれもとっても美味しいので、楽しみにしていてくださいね!」 「そうか、あ、そうだお嬢ちゃん。じゃなくて、エリアナ様」  『お嬢ちゃん』と言った瞬間、ギロっとケイティに睨まれた宿屋の主人はすぐに訂正した。 「最近この辺も瘴気が広がっていて、海の生き物もその影響を受けているのか、市場のものを生で食べて体調を崩している人も出始めてるんだ。  王太子殿下にそんな食材で食べさせて大丈夫か? 他の地域の野菜とかにした方が良いかな、と思い始めたんだが……」 「まぁ、そのような影響が出ているのですね!? 今回は火を通す料理なので大丈夫かと思いますが……体調を崩された方々が心配ですね」 (海を挟んで向こう側にはマリン帝国もあるのに、大丈夫なのかしら)
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