第13話:海の幸と不思議な魔法

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 想定以上に被害が広がっているのだと思うと、焦る気持ちが湧き上がる。でも、私には料理を作るくらいしか出来ない。  最近はなぜか魔力が増しているような気がしているけど、それもたまたまかもしれないし。 「ご主人、火を通す料理であれば、まだ皆さん食べられるんですよね?」 「あぁ、体調を崩しているのは生魚のまま食べた奴だけだな。今の所」 「王太子殿下がこちらに来るまでもし時間があれば、街の皆さんにご飯を振る舞えたりしないでしょうか?」 「えぇっ!? そりゃあ声を掛ければ、皆すぐに集まってくると思うけど……本当にやるのか?」 「私が作るご飯、体調を崩した方も食べると元気が出るってお墨付きなんです」  ニコリと笑顔を向ける。先ほど初めて出会ったばかりで、どこまで信用して良いんだろうと思ったに違いない。でも、この状況を少しでも良くしてくれるなら、と考えたようだ。 「確かに、最近は体調を崩す奴もチラホラ出てきて、市場の活気が半減しちまったんだよなぁ。  景気付けに美味しいものが食べられるなら、みんな嬉しいよなっ。よし、俺も一肌脱ごう! 宿の一部を、宿泊客以外も飲食できるよう解放するよ」 「ありがとうございます! 今用意できるのは先ほどお伝えした3品くらいですが……まずはそれらを試作する所から始めましょう!  あ、ご主人、お名前を聞いておらず失礼しました。今伺っても?」 「あぁ、俺の名前はジャンだ。宜しくな、エリアナ様」 「あら、エリアナで構いませんわ。ねぇ、ケイティ?」 「お嬢様がそうおっしゃるなら……」
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