第14話:クリス王太子の突撃

8/8

807人が本棚に入れています
本棚に追加
/139ページ
 そんなことを考えながらクリス様の様子を見ていると、カイ様がこちらに近づいてきた。 「エリアナ、サポートしてくれてありがとう。助かった」 「とんでも無いです、私は皆さんの勇姿を見ていただけで何も」 「、か。レオナルド殿に見惚れてるんじゃないかと、ヒヤヒヤしていたよ」 「カイ様ったら。戦いながらそんなことを考えていたんですか?」 「私はいつもエリアナのことを想っているからな」  カイ様の真剣な眼差しと優しい笑みに、また心が揺さぶられてしまう。どう返したら良いのか考えていると、カイ様から切り出した。 「エリアナに話したいことがあるんだ。次の場所に移動する前に、二人きりの時間を作れる?」 「えぇ、もちろんです」 (話したいことって、何だろう……?)  私は私で、カイ様に対するこの気持ちが何なのかもう分かっていた。ただ、それを受け入れて、言葉にする勇気が無かっただけだ。 「私もカイ様にお話ししたいことがあります」 「エリアナも? そうか、楽しみにしてるね」  そんな見つめ合う私たちを、遠くからクリス様が見ていることには気付いていなかったーー。 ***
/139ページ

最初のコメントを投稿しよう!

807人が本棚に入れています
本棚に追加