パニック

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 夜中に目が覚めた。  何かを忘れているような気がした。  しかし思い出せない。  隣に寝ているハルカの肩をゆすると、寝返りを打ってゆっくりと目を開いてくれた。 「なによ、もう」  眠そうに、迷惑そうに、薄い目で俺を見る。 「なんか、忘れてないか?」 「なによ」 「俺、何か忘れてる気がするんだけど」 「知らないよ、あんたの頭の中なんか」 「何か、俺、言ってなかった?」 「知らない。来月の私の誕生日は覚えてる?」 「いや、そういうんじゃなくて、もっと大事なことだよ」  ハルカは俺の脇腹を思い切りつねると、後はもう相手をしてくれずに目を閉じた。  なんだろう、何かとても大事なことを忘れている気がする……。  俺は頭を掻きむしってから、大きく深呼吸してみた。  そして思い出したのだ。 「あっ!!」  大きな声を出したのでハルカから背中を平手で叩かれた。  しかし、そんな事に構っていられなかった。  思い出した……。  今日は、妄想コンテストの締切日じゃないか!
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