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彼女とは、彼女が仕事を始めた時から担当しているので、かれこれ2年の付き合いになる。年齢は私より3歳下。山野と同い年。いつも自分の恋バナをしてくれて、仕上がるまで話が途切れることはない。
「そう言えば、前の彼氏とは別れたんですよ。」
桑原さんがまだ言ってなかったよねと言う顔をする。
「えー?あの営業マン?」
確かその彼氏は証券会社に勤めていたはずだ。
「そうです。結婚するなら彼って思っていた時もあったけど、趣味が違うからかな、最近、喧嘩も増えて、話していてもあまり楽しくないなぁって思って別れたんです。」
彼女の趣味はキャンプだ。私とは真逆の完全アウトドア派。一方の彼は映画や美術品の鑑賞が趣味だ。お互いに趣味が違うから教養が広がると、付き合った当初は言っていたが、最終的には平行線に戻ったようだ。
「今はね、20歳の大学生と付き合っています。」
「大学生!?」
「はい。」
「どこで出会ったんですか?」
「えーと、キャンプ合コンってのがあってそこで。」
キャンプ合コン……そんなの初めて聞いた。いや、でも最近はなんでもありだもんな。主催者側もいかにありきたりの合コンや婚活と差を付けるかみたいになっている。
「年下いいですよ。普段はけっこう主導権握らせてもらえるのに、いざという時は俺が守るから、俺の彼女だろみたいな強さを見せてくれて、キュンってなるんですよ。」
「そうなんですねぇ。よし、こんな感じでどうですか?」
脇のラインまでのロングだった彼女の髪。それを思い切って切ると言い、「羽山さんみたいな髪にしてください。」と言われた。なので、肩より少し長いくらいの外ハネにかなり明るいブラウンカラーで染めた。
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