絵梨花は何処?

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絵梨花は何処?

 冴華は周りを見まわしたが、絵梨花の姿は何処にも無かった。冴華は立ち上がり、絵梨花の席の前に立った。出社した形跡が無かった。 「大田さんなら、有休だよ」と冴華は後ろから声が掛けられた。振り返ると申し訳ない無さそうな表情を浮かべる上原がいた。「さっきは給湯室、塞いでごめんよ」  思わず、冴華は息を飲んだ。一呼吸おいて、「分かりました」と呟くのが精一杯だった。  再び席に戻った冴華だったが、どうしても落ち着かなかった。気分を落ち着ける為、エクセルの入力作業をするのだが、風に煽られる紙飛行機の様に気分は乱れた。そして、考えは上原の事でいっぱいだった。そんな時、冴華は新たな事実に気づいた。
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