挨拶

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挨拶

 知らない方は初めまして。知っている方はいつも閲覧や応援ありがとうございます。及川シノンと申します。  私は19歳の時にWebサイトで掲載していた作品が書籍化され、ライトノベル作家としてデビューしました。しかし売上が伸びず一巻で打ち切られてしまい、悔しい思いをしました。  それでも諦めず再チャレンジを続け、28歳の時に第11回集英社ライトノベル新人賞を受賞することができました。  その過程や詳細は『19歳でデビューした一巻打ち切りラノベ作家が、20代で新人賞を受賞して再デビューするまでの話』という公開済みエッセイに書いてありますので、もし興味がある方は読んでみてください。  今回のエッセイは、その続編的な内容です。  とはいえ前回のエッセイを読んでいなくても、特に問題はありません。  話を戻して、2022年の4月に集英社ダッシュエックス文庫編集部から受賞のメールが届いた時は、もちろん歓喜しました。  しかし一度打ち切りを経験している身なので、喜びよりも「すぐに気を引き締めなければ」「迅速に書籍化作業を行い、今回は打ち切られないように宣伝活動も頑張ろう」と思いました。  ですが実際に発売されるまで、その決意から約二年の歳月を要することになります。  今回のエッセイは、受賞から発売まで二年もかかった理由と、もしも同じような状況に新人作家さんが直面した場合、どのように振る舞ったり考えれば良いのか。その二点について、自分の体験を基にアドバイスするため書きました。  ただ誤解してほしくないのは、『発売まで二年も待たされた被害者の作家が、加害者である出版社や編集者を告発する』といった趣旨のエッセイではない、ということです。  昨今はクリエイターと企業の関係というものが、非常にデリケートでセンシティブな話題となっているかもしれません。しかし私としては、それらの問題とは異なるものだと認識しています。  このエッセイを公開できているのも、担当編集者に一度下書きを見せ、確認を取っているからですし。  そのため『作家VS出版社』といったエキサイティングな構図やドロドロの揉め事を期待して来られた方には、物足りない内容になっているかと思います。  あらかじめ、その点はご了承ください。  前置きが長くなりましたが、次ページ以降では受賞から現在に至るまでの編集者とのやり取り・出版作業の過程を、時系列順に説明していきます。
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