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1 出帆
青年は船首に立ち、茫漠たる大海原を睥睨した。
ついにこのときが来たのだ。世界の涯を目指して出帆するときが。
「待ってろ、〈ガイアの縁〉よッ!」彼は腹の底から声を絞り出した。「しかとこの目で見届けてやるぞ」
錨が巻き上げられ、港に係留されていた大型帆船〈ディスカバリー〉号がゆっくりと動き出す。
クルーたちは忙しなく甲板を動き回り、帆の調整に大わらわだ。
順風をたっぷり受け、帆は大きく膨らんだ。船速は徐々に増し、みるみるうちに港が小さくなっていく。
〈ガイアの縁〉を目指す冒険の旅が始まったのだ。
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