女子会

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女子会

「そんなこと言われても、分からないものは分からないわよ」 「とにかく男の視線に敏感になりなさい。口に出せない熱い恋心を持って未緒を見てる男が居るって。まあ中には下心だけって奴も居るけどね……」 「それをどうやって見分けるの? やっぱり私には無理よ」 「そうね。未緒の場合は有無を言わさずいきなり抱きしめられて強引にキスでもされないと分からないでしょうね」  と美耶子は笑った。 「止めてよ。そんな事されたら絶対許さないからね」 「そうよね。おまけに潔癖症ときてるから救いようがないわ。もうちょっと隙を見せなさい。その方が可愛かったりするのよ。披露宴に彼の先輩や後輩の独身イケメンたくさん招待してるから、その中から未緒のお婿さん見付けてあげるからね。楽しみになってきた」 「何言ってるのよ。主役の花嫁が、そんな事してる暇あるの?」 「そうそう忘れてた。披露宴会場の近くのレストラン借り切って二次会するの。未緒も来てくれるでしょう? 披露宴は親戚や親の仕事関係の方が多くて、友達だけで盛り上がろうと思ってるの。瞳も留美も千夏も来るから」 「懐かしい。いつからだっけ。かなり長いこと会ってないわよ」 「でしょう。みんなも未緒に会いたがってるから絶対来てね」 「うん。参加させて貰うわ。そうだ。お色直しのドレス何色にしたの? 花嫁さんと被らないようにしないとね」 「えっとね。純白のドレスとピンクの御振袖と真っ赤なドレスよ」 「美耶子らしいセレクトね。きっと良く似合うと思うわ。楽しみ」  久しぶりに飲んで食べて喋って笑って美耶子と楽しい時間を過ごした。結婚したら二人で女子会なんて事もなかなか出来なくなるだろう。  ところで世間では最近『 なし婚 』が流行っているらしい。結婚式も披露宴もしない。セレモニーにはお金を掛けない。その代わりドレスを着て写真だけは撮るとか、指輪だけは購入するとか、ハネムーンだけは行くとか。要は当事者の二人が決める事だから。  中には式や披露宴には全くお金は使わず結婚当初から家を建てるなんてカップルも居るそうだ。  一日だけのためにお金を掛けるのではなく将来の人生設計を踏まえてお金を使うなんて堅実で素晴らしいと思う。  けれど悲しいかな私の周りには『 なし婚 』賛成派は少数……。ほとんどが、長い人生で主役になれるなんてこの日だけ。後はただただ普通の生活が待っているんだから……。せめて結婚だけは派手にいきたいなんて言ってる。  その中には、めちゃめちゃ派手な式、披露宴を繰り広げ、一年も経たない内に離婚してバツイチになった友人も居る。  やっぱり異星人と生活を共にする事は簡単ではないのだろう。  まぁ結婚だけが人生じゃないし、一人で生きるという選択もありでしょ。
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