IV

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IV

「攻撃だ! 魔獣のような硬い何かが!」  誰かの悲鳴と共に現れたのは、カマキリのような二本の鎌を持つ機械のような中型兵器の数々であった。  実戦経験のない生徒達は慌てふためく。 「先生!」 「落ち着きなさい! まずは防御魔法を!」  生徒達が纏まるより先にカマキリから光線のようなものが発される。  出来る生徒から順に防御魔法で盾のようなものを生み出すが、ジュリアには自分を一人を守るだけの防御魔法を扱うことは出来ない。 「ジュリアっ!!」  ミニスターがジュリアを自分の防御魔法の盾の内側に引き入れた。 「!? ミニスター?」 「婚約者を守るのは当然だからな!」  ミニスターの防御魔法に光線が弾かれる。途端に全てのカマキリの光線がミニスターの防御魔法を目掛けて何本も放たれた。 (狙われているのは、もしかして私?) 「だ、大丈夫だ。動くなよジュリア」
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