VIII

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「こ、これは?」 「なんだ?」 「いえ、私にもわかりません」  説明しよう! これはダイ•ナマイート。キカ•イース国で7年前に発明された殺傷能力の高い爆弾である。  キカ•イース国の者がこれを見れば一目でパニックになり、死の恐怖を覚えるだろう。  しかし、魔法王国での知名度はゼロ。そして、そんな魔法王国に潜入していたマルコもまた、ダイ•ナマイートについて無知であった。 「とりあえず、危なそうだから投げとこうぜ」  ミニスターの野生の勘が危険を察知し、ダイ•ナマイートを取り外して高く高く放り投げた。  。 *  ドォオオオオオオオン!!ーーという音と共にダイ•ナマイートは爆発した。  突然の轟音と爆風に平原で睨み合っていた魔法王国軍もキカ•イース国の軍勢もパニックである。 「ミニスターのお馬鹿!」 「いや、まさか爆発するとは」  互いに覚えのない爆発ーー敵国の攻撃だと思って即座に臨戦体制へと切り替わる。 「どうしましょう。このままでは戦争が」
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