20人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
「私に策があります。【パニーク】には種類があるのです」
【パニーク】の源泉であるパニック状態ーーそれは、恐怖や驚き、嬉しさなど様々な感情が閾値を超えることで発生される。
(お父様やご先祖様はいつも恐怖の【パニーク】を使っていましたわ。けれど、私の【パニーク】は違う)
ジュリアはカマキリ兵器相手に【パニーク】を使ったとき、違う感情のツマミがあることに気がついたのだ。
(でも、失敗して皆が狂ってしまったら......)
「ジュリア! もう軍が衝突する!!」
ミニスターが叫ぶ。
ジュリアは覚悟を決めた。
「【パニーク】!!」
ジュリアはありったけの魔力を込めて、ぶつかり合う軍勢に【パニーク】を掛けた。ピンクのモヤがあたりを包みこみ、人々の心臓を貫いていく。
「やったか!?」
「お嬢様、見てください!」
戦場になるはずだった場所では、誰もが感動の涙を流しながらハグをしていた。
「やった。戦争を防いだわ!」
3人は肩を抱き合った。
最初のコメントを投稿しよう!