VIII

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「私に策があります。【パニーク】には種類があるのです」  【パニーク】の源泉であるパニック状態ーーそれは、恐怖や驚き、嬉しさなど様々な感情が閾値を超えることで発生される。 (お父様やご先祖様はいつも恐怖の【パニーク】を使っていましたわ。けれど、私の【パニーク】は違う)  ジュリアはカマキリ兵器相手に【パニーク】を使ったとき、違う感情のツマミがあることに気がついたのだ。 (でも、失敗して皆が狂ってしまったら......) 「ジュリア! もう軍が衝突する!!」  ミニスターが叫ぶ。  ジュリアは覚悟を決めた。 「【パニーク】!!」  ジュリアはありったけの魔力を込めて、ぶつかり合う軍勢に【パニーク】を掛けた。ピンクのモヤがあたりを包みこみ、人々の心臓を貫いていく。 「やったか!?」 「お嬢様、見てください!」  戦場になるはずだった場所では、誰もが感動の涙を流しながらハグをしていた。 「やった。戦争を防いだわ!」  3人は肩を抱き合った。
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