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黙したまま通された部屋へ進むとーーふわりと眼前に魔法の花吹雪が舞った。顔を上げると、両脇にはマルコをはじめとした屋敷の者達がズラリと並んでいる。
「明日は学園の遠征ですから。ひと足先に皆でお祝いをと思って曲芸魔術師を呼びました。さぁ、皆さん、声を揃えて」
「「「ジュリア様! お誕生日おめでとうございます!」」」
ジュリアは使用人の多くから慕われていたのである。本来であれば許されない距離感であるが、彼らのジュリアとの関係は一言では言い表せない積み重ねがあった。
「皆......っ」
マルコはジュリアに跪く。
「数々の困難を越え、お嬢様は立派になられました」
これが、ジュリアが恋に落ちた瞬間であった。
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