PANIC in the CiTY

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 ふと目を開けたら、部屋は真っ暗だった。俺は勢いで起き上がる。寝ていたのだ。 「い、いま何時っ!?」  焦って叫ぶと、目の前にパネルが出てきて時間を知らせる。光るパネルが示すのは……21:00、やばい! 「民間放送をつけて! 7チャンネル!」  部屋の電気をつける間もなく叫ぶ。光るパネルは瞬時に映像を変えた。 『さあ今夜も始まりました! “PANIc in the CiTY” 司会は私、リリック・プレンと、』 『ユーリ・ティアノーがお送りします!』  俺はほっと一息をついた。よかった、間に合った。 『今夜はですね、なんと、あのレジェンド・ヒーローのアルテミスがパニッカーと緊急戦闘中、ということで……』 『その様子を生放送でお送りいたします!』 「っ、アルテミスが……!?」  俺は思わず身を乗り出した。アルテミスの戦闘が生放送で見れるなんて、ついてる。 『戦闘を中継する前に、もちろんみなさんご存知とは思いますが、アルテミスについておさらいしたいと思います!』  言うが早いか、パネルにしなやかで細身な男性の姿が映し出される。 『アルテミス・ダランク。30歳で陸軍特殊部隊の准将に登り詰めた超エリートで、超強力なサイキッカーなんですね。アルテミスのこれまでの戦歴は……』  俺はいらいらとして、目を強く擦った。  そんなの、そらで言えるくらいには暗記してる。それより、早くアルテミスの戦いを見せてくれ。こうしてる間に、戦闘が終わってしまってたら、どうしてくれる。 『ではみなさんお待たせしました! 中継に繋ぎます。現場のリリアーン、聞こえてますかー?』  途端、女性アナウンサーのドアップを最後に、画面が切り替わる。やっとだ、と俺は興奮でシーツを握りしめた。 『はーい、こちら現場のリリアン・ミシュです』 『リリアン、アルテミスはどのような様子でしょうか?』 『はい、アルテミスはパニッカーを追っており、私たちも空中車で彼らの行方を追っています。今回のパニッカーは水を操るサイキッカーで、街の水道や川などに被害が出ています。アルテミスは一度パニッカーを追い詰めましたが、隙を見て逃げ出してしまった状況です。……あ、アルテミスです! ビルの屋上に立つのは……! 追いつきました!』
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