山賊の王女

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「リズ!」  バンパの声色でエリザベスもすぐに気がついた。二人はすぐに反応し、跳躍をしながら臨戦態勢を取る。  いきなりの行動に焦ったのか、敵は姿を隠すことを諦め、剣を持った手を振り上げながら二人に向かって突進した。  ここは山賊たちの隠れ家から少し距離のある森の中で、エリザベスとバンパは仲間と分かれて食料を調達していたところだったため、居場所を誰にも伝えていなかった。この場は二人で対処をするしかない。 「五人だ」  冷静な口調でバンパがそう言うと、すでに一人を素手で倒していたエリザベスは、自分からは見えていなかったもう一人を目で探した。  バンパは腰に下げていた短剣を一人に突き刺し、もう片方の手では攻撃を受けていた。
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