王女の誤算

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「さあ、これで準備は完了よ。私を見て覚えなさい」  エリザベスはそう言うと、クリストファーに不敵な笑みを向けた。  クリストファーは言葉の意味を理解できずに戸惑ったが、次第に自分の中に漲ってくる力の存在に気がついた。  様子からクリストファーが知覚したことを悟ると、エリザベスは説明した。 「私が愛した者は、私の力を分け与えることができるのです」  クリストファーは驚いたが、その証拠が自身の身体の中に漲ってきているので、受け入れる他なかった。 「私とたっぷり手合わせしてきたんだから、あなたもすぐに使いこなせるわ」  二人は逃げるのをやめて、敵を待ち受ける場所へと移動することに決めた。
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