5 デート当日

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 メアリーに、昼はどうするのかと聞かれて。 『逆に、メアリーはどうするんだ?』 『作って食べますけど……』 『俺も、一緒に作って、一緒に食べても良いだろうか。料理も一通り教わるんだ、聖騎士は。だから、変なことはしないと思う。材料費などはあとでちゃんと払うから』  駄目元で、言ってみた。 『……そんな、凄いモノは作りませんよ?』  確認するように、言われて。 『なんの問題もない。君と食卓を共に出来ることは、俺にとって奇跡みたいなことだから』  言ったら、メアリーがまた、顔を赤くするから。 『メアリー。そういう可愛らしい表情は、あまり他の人間には見せてほしくないな』  苦笑しながら言ってしまった。  そして今、メアリーと一緒に作った白アスパラのクリームスープを、食べている。  メアリーと、一緒のテーブルで。 「本当に夢みたいだよ、メアリー。願っていたことがどんどん叶っていく」 「それは良かったです。薬のおかげですね」 「メアリーのおかげだ」 「私が作った薬ですからね」 「そうじゃなくてだな、メアリー」  ずっと。薬を飲む以前から、ずっと。 「もっと前から、こうしたいと思っていたんだ。それが叶って、とても嬉しい」  対面に座るメアリーは、奇妙な顔をして、 「……どういうことです?」  首を傾げる。 「君と、ずっと、こうしてみたかった。そういう意味だよ、メアリー」 「……薬の効果で、記憶が改変されました?」 「そんな効能もあるのか?」 「無いですけど……」  奇妙な顔のまま、食事を再開したメアリーに、 「それなら、少しは信じてくれないか。さっきの言葉も。愛してるという言葉も」  メアリーは動きを止めて、 「……そうですね。効果が切れるまでは、信じます」 「切れてからも、信じてくれると嬉しいんだがな」  ディアンは苦笑した。
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