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オリヴィアはレイル・スコットという婚約者の弟君を味方につけることにした。
レイルは銀髪の長い髪をひとつにくくった線の細い美青年だ。
兄であるラファエルより素朴で大人しく、まだあどけない。
男、というよりはまだ男の子……もしくは女の子に見えたりもするくらい中性的で美しい。
性格も、聡明で無邪気な子だった。歳はオリヴィアより四つほど下だ。オリヴィアにとっても可愛い弟である。
ラファエルとレイルは、対照的だった。
紳士然として魔力も強い優等生のラファエルに比べ、レイルは少し頼りなく魔力も弱い。
王宮でも、ふたりはよく比べられているようだった。
オリヴィアはレイルに、自分を重ね合わせていた。
圧倒的ヒロイン感のあるソフィアに比べ、オリヴィアは劣っていた。
家柄こそ立派なものの、与えられるドレスもあまり好みではない。
どれもどぎついのだ。
深い赤色や漆黒など、はっきりとした色のものが多い。オリヴィアとしては、白や淡い桃色などが好みなのだが。
とはいえ、これ以上ないくらい悪役令嬢らしいので、この服装を変える気はない。
とりあえず、悪役令嬢でいる限りは。
オリヴィアはレイルに、素直に今の想いを打ち明け、協力を頼んだ。
するとレイルは、喜んで手伝うよと頷いてくれたのである。
貯めた資金はすべてレイルに預けることにして、さっそく悪役として動くことにした。
とはいえ陰湿な嫌がらせをするというのは、度胸のないオリヴィアにとってはちょっと精神に悪い。
レイルに相談すると、それなら、と素晴らしい提案をされた。
影でふたりのお膳立てをする、というものである。
ラファエル王子には嫌われるような言動を取り、ヒロインの前ではつんとする。
そして、第二王子であるレイルに、影でオリヴィアがこう言ってたああ言ってた、など、散々良くない噂を流してもらった。(若干レイルが悪役王子となった)
すると、少しづつオリヴィアは学校で孤立していった。
ゲームの終盤では、学校内でオリヴィアを好く者はいなくなった。
結果、オリヴィアは無事ラファエル王子から婚約破棄を突き付けられ、その後の処分待ちの牢の中に収まった、というわけだ。
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