山奥の宿

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そして、深い霧の中殺人鬼のいる宿で一日を過ごした。 タカシ「はぁ、、、、。」 朝はみんな一階のロビーへ集まり話し合うという時間ができた。 死体はまだあの部屋の中だ。 少し見に行くかと思い、その事件現場へ行く。 タカシ「ゴロウさん、、?」 「あぁ、、、祈っておこうと思ってね。」 ゴロウさんは素早く手を置いて帰っていった。 他人の死を痛ましいと感じることができるゴロウさんは優しい。 違和感。 どこかに違和感がある。 この部屋のどこかに。 血痕じゃない。 倒れ方じゃない。 争いの痕跡、、、! タカシ「この争った痕跡。変だ。」 自分は言った。 この痕はおかしい。 もしも喧嘩になって、前から刺されたのなら。 まず犯人の刃物を持っているほうの手を抑えるだろう。 それだけでそんなに部屋が散らかるのか? 殺された被害者について客に聞くと、 物静かな人だった。 暗い人だった。 あまりしゃべらない人だった。 そう、被害者は静かな人であり これは偏見だが大袈裟な争いはしないはず。 最低限の力を振り絞って手を握りしめ、刃物を自分から遠ざけるだろう。 暴力はしていないと考える。 ロビーへ戻りこれを話す。 そして、一人一人の腕や手、手首などを見せることになった。 「ちょっとまってください。」 マナさんが言う。 タカシ「なんですか?」 事情を聴くと、さっき厨房で手首を痛めたという。 タカシ「どうやって痛めたんですか?」 どうやら、上の棚からフライパンを取ろうとしたら 手が滑りフライパンが落ちてきたという。 本当かわからないが一応警戒しておこう。 大塚マイ 傷なし 佐塚ケイ 傷なし 高梨マナ 傷あり 痣 五木ゴロウ 傷あり 青痣 切り傷 五木ミク 傷なし だいぶ絞ることができた。 マナさんはさっき痛めているから犯人は五木ゴロウさんだ。 タカシ「そうですよね、、、?」 ゴロウ「すいませんけど、違います。」 じゃあその傷はなんですか!? ザワザワ この痣は薪を運んでいる最中、立てていた薪が倒れたという。 切り傷はその時にできたものらしい。 自分たちは今日来たので昨日の午後がどんな状況かわからない。 ゴロウさんじゃないなら後は、、、、、 タカシ「じゃぁ、大塚マイさんですね?」 マイ「そ、、、、そんなわけないじゃない、、、。」 動揺している。 これは確定かもしれない。 ケイ「動揺してるってこたぁ、お前が犯人だな!」 マイ「う、、、うるさい!!!」 タカシ「マイさん!外に出てはいけない、、、!!!」 マイさんの後を追おうと思ったがゴロウさんに止められてしまった。 「犯人には償ってほしかったけれど、これでいい」とのこと。
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