第二章-Dream again-2

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第二章-Dream again-2

検察官を復帰して、3ヶ月。 いまだに大林刑事のことは分からない。 今日は赤坂での殺人事件、犯人は被害者の兄らしい。 今からパトカーで現場に向かうところだ。 大林「乗れ。」 赤色灯が赤く光り、サイレンがうるさく鳴る。 相変わらず大林刑事は静かだ。 車で移動しているときは常に無言だ。 助手席に座り、スマホで本部からの連絡を見る。 そして、情報を大林刑事へ伝える。 タカシ「あ、被害者は40代女性です。」 大林「そうか。」 反応うっす...。 タカシ「玄関付近で殺害されたとのこと、凶器は刃物。」 大林「...。」 とうとう何にも言わないじゃん...。 1時間ほどして現場に到着した。 事件現場は赤坂の住宅街にある一軒家だ。 家へ入ろうとするが、ドアは開けっ放しだった。 大林「行くぞ。」 タカシ「...はい。」 玄関には死体があり、靴置き場や、棚に血痕が残っている。 残酷だ...。 穴井「あぁ、大林刑事お待ちしていました。」 鑑識官の穴井。 やめる前から仲が良かった鑑識官だ。 穴井「あ、タカシ検察官も。」 とってつけたように僕の名前を出す。 大林「鑑識官はもうお帰りください。後はやります。」 穴井は戸惑った顔で返事をし、帰った。 大林刑事は死体をじろじろと見ている。 いや、見ていない? まるで、心の奥深くを見ているような。 確実に死体には焦点が合っていない。 大林刑事には僕には見えない何かが見えている。 才能ってやつか。 大林「彼女は、8:00に買い物へ行った。」 急に話し出す。 意味も分からないまま急いでメモを取る。 大林「そして、スーパーで友と会い談笑する。」 大林「しだいに話の内容は変わり、お金の話へと移る。」 大林「多分、借金だろう。」 大林「口論になるも、和解をして家へ帰った。」 もしこの内容が事件の内容だったら。 すごいことだ、何も証拠がないのに本当のことのように話し出す。 大林「しばらくして夫が帰ってくるが、友を連れてきていた。」 大林「その友はスーパーで口論した友だった。」 大林「そして、鋭いまなざしで被害者と夫を刃物で殺害。」 タカシ「それがこの事件の内容、ですか?」 大林「そうだ。」 この情報を本部へ提供する、と大林刑事は言った。 根拠もないのに提供していいのか?と疑問に思いながらパトカーに乗る。 大林刑事は特殊な力を持っている。 それは、人の記憶を見ることができるというものだ。 この世で最も危ない存在。 それは、化学では証明できない、得体の知れない者だ。 人間は得体の知れないものに対して恐怖を覚える。 幽霊だってそうだ。 UMAも、超能力も、 大林刑事は大半の人間から避けられている。 少ないが、大林刑事と仲の良いものもいる。 そんなことを考えているうちに、本部へ着く。 大林「以上です。」 中山「なるほど、了解しました。」 中山「ありがとうございます!」 この人は中山巡査部長。 女性だが、力強い。 それに、可愛い。 見た目に反して、犯人には容赦がない。 いつもは、普通なんだけどね。 紫龍「おい、タカシ。」 タカシ「な、なんですか?」 紫龍警部だ。 結構怖い、けど。 紫龍「いまから猫カフェ行かねぇか?」 結構趣味がかわいい。 ギャップがすごい。 ヤクザみたいな顔して、趣味が可愛いんだよなぁ。 ----- 紫龍「おぉ、お前可愛ぇのぉ!おりゃ!」 むっちゃ戯れてる。 むっちゃ笑顔。 普段怖いのにむっちゃ笑顔。 しかも猫集まりすぎじゃない!? ほぼ埋まってるよ!? 紫龍「おうおう!かわえぇのぉ!!」 タカシ「そうですね~。」 楽しい時間はすぐすぎるものだ。 1時間なんて、もってのほかだ。 「お会計、1700¥になります。」 紫龍「おう、ありがとうございやした。」 チャリーン タカシ「ごちそうさまでした。」 紫龍「いや、付き合ってくれてありがとうな。」 タカシ「それでは僕はここで!」 紫龍「おう、お疲れぇ!」 そんな感じで、朝は大林刑事と仕事。 帰りは紫龍さんと猫カフェへ通っている。 まぁ、前よりかは充実している人生だ。 しかし、友達への贖罪。 もし、自分のせいで友達が死んだとしたら。 いや、そんなことは考えないでおこう。 そうだ、14年前の事件について調べようかな。 大林一族連続殺人事件、、、か。
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