第二章-Dream again-2

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タカシ「...そうだったんですね。」 大林「私には見えたんだ、みんながね。」 大林刑事がたくさん話すのは初めてだ。 きっと、思い出したくなかっただろう。 大林「それでは。」 大林刑事は、静かに戻っていった。 外山「あぁ、タカシ君いいところにいた!この資料に目を通しといて!」 タカシ「えぇ...多いですね。」 外山「講演会までによろしく!」 外山警視監だ。 いつも多い資料を渡してくる。 面倒だ。 タカシ「はぁぁ。」 七海「警察官は大変だよね。もうすぐ講演会だね。」 タカシ「あぁ、七海警視長。僕は警察官じゃなくて検察官です。」 結構有名な警視長、どこか抜けている。 1年で警視長まで上り詰めた圧倒的ギフテッドだ。 七海「まぁ、挫けず頑張ってね。」 そんなこんなで大変な1日が終わった。 ータカシ自宅ー2038年9月20日10:30 タカシ「はぁぁ...。」 警察は大変だ。仕事が終わったと思ったら、 まもなく麻布台ヒルズで講演会がある。 警察は、人間の手本とならなければいけない。 でも、決めたことだ。 大林刑事もそう決めたんだろう。 ピーンポーン 家のベルが鳴った。 現在は10:30だ。 こんな夜遅くに誰だろうか。 何の警戒もしないまま僕は、ドアを開けた。 タカシ「...!」 催涙スプレーをかけられ、うずくまった。 無防備な状態だ。 やばい...殺られる...! バチバチッ なん...だ...。 ー大林帰宅途中ー2038年9月20日10:34 大林「...はぁ。」 あの日のきらめきも、あの日のときめきも、 全て14年前に置いてきた。 私はもう何もない。 空っぽの人間だ。 タカシはいい奴だ。 五十嵐と同じで、エリートに育つのだろうか。 ...! 後ろに誰かいる。 勢いよく振り返り、攻撃を受け流す。 大林「たった一人できたのか、威力業務妨害だ。」 気づいていたのかもしれない。 大林「...!」 私は、、、この罪から逃れようとしたのかもしれない。 バチバチッ しまった。 油断していた。 一人で来るはずないよな。 私は...楽になっては...いけない...ん...だ。 ----- ...目の前が見えない。 クソ...目隠しか。 結束バンドで手を拘束されてる...! ついでに、椅子に体をガムテープでぐるぐる巻きにされている。 事件に関わると毎回、山奥の宿での事件を思い出す。 タカシ「目隠しをとれ!」 そう叫ぶと聞き覚えのある声が耳に入った。 大林「...五十嵐か?」 大林刑事だった。 まさか大林刑事も巻き込まれているとは...。 いったい何のつもりだ...! 大林「五十嵐も、手を拘束されている状況か?」 タカシ「...はい。」 大林「いいか、靴ひもを解け。」 見えないが、試行錯誤して解いた。 大林「紐をバンドの隙間に通して結べ。」 見えて無いのにそんな難しいこと言われても...。 そう思ったが何とか結ぶことができた。 僕は意外と器用なのかも...と感じた。 大林「そしたら、足を動かして摩擦でバンドを切るんだ。」 足を動かした、するとバンドがちぎれた。 パチッ 大林「目隠しをとれ」 よし...これで動ける。 犯人はここにはいない。 ここは...廃工場? ボロボロだ。 ガムテープを千切り、大林刑事を救助する。 タカシ「てか、命令しなくても刑事がやればいいじゃないですか!」 大林「身に着けておいたほうがいい。」 話がかみ合わない。 まぁ仕方がないか。 「おはようございます。大林刑事、タカシ検察官。」 ...誰だ!? 振り返ると、そこには 不気味な仮面をつけた、スーツの男が立っていた。 「本当は大林刑事だけでよかったんですが、、、 御一人は寂しいかなと思いまして。タカシ検察官もついでに。」 ついでにかよ。 いやいや!? もっと疑問があるだろ。 タカシ「何で僕たちを此処へ来させたんですか?」 「それは、大林一族を復活させるためですよ。」 大林「...大林一族か、懐かしい単語だな。」 僕にはわからなかった。 大林刑事に関係があるのか? 「大林一族は14年前に崩壊しました。 それっきり大林の殺人事件は減少傾向にあった。」 大林「俺のせいって言いたいのか?」 「実際そうでしょう?」 ちょっと、脳の処理が追い付かないな。 「悪夢を再び。見たいですよね...?」 大林「...あんな夢は二度と見たくないな。」
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