第二章-Dream again-2

4/17
前へ
/110ページ
次へ
大林「また始めようってか。」 「そうですね、一族が危ういので。」 タカシ「刑事!今どういう状況なんですか!?説明してください!」 大林「かなりまずいな、大勢の人が死ぬ。」 なんでそんなに冷静でいられるんだ。 大勢の人が死ぬ? 急すぎる! この男が犯人なのか? ほかにも上の組織があるのか? あぁ!銃も無線も携帯もない! 気絶している間に盗まれた...! 「それでは、良い夢を。」 ...!? タカシ「消えた、、、?」 大林「あれは映像だな。」 映像!?ホログラムってやつか。 くそ。 犯人はここにはいないということか...。 大林「やりがいのある仕事だな。」 タカシ「ジョークみたいに言わないでください!」 大林一族とはなんなのか。 大林刑事は何者なのか。 14年前の事件と何の関係があるのか。 謎が多いなぁ。 というか、闇深すぎる...。 大林「とりあえずこの廃工場から出るぞ。」 タカシ「はい。」 大林刑事は、まるで工場内の管理人かと思うくらい この廃工場の中を熟知していた。自分達の貴重品も見つかった。 そして、出口が見えた。 その先には人がいた。 「一変、君かぁ、一族の汚点は。」 タカシ「!?」 見知らぬ男だ。逆光であまり姿は見えない。 一変?大林刑事のことか? なんで名前を知っているんだ? 大林「誰だ。」 「僕は、"大林土浦"」 大林「お得意様の数字はどうした?」 土浦「十と一で土だよ。僕は、11代目さ。」 大林「ははっ...なかなか考えるものだな。」 11代目? 数字? わけわかんないけど、現場の威圧感がすごい。 土浦「今から、キミの友達、同僚、先輩、、助手も死んでいくよ。」 え...僕も!? なんで...。 ボコォォオォン!!!! 今僕たちは麻布地区にある廃工場にいる。 そして今。麻布台ヒルズの方で爆発音がした。 タカシ「なんだ!?」 土浦「刑事ならわかるよね。あそこで何が始まろうとしているか。」 大林「...貴様。」 麻布台ヒルズ...麻布台ヒルズ...? 何かあったか? ...! 大型ダイニングスペースでの講演会! あそこには、早めに外山警視監や、七海警視長が準備している...! もしかして...。 土浦「みーんな!爆死だよ!あはは!」 タカシ「土浦ぁぁああああぁ!」 土浦に襲い掛かり、拳をたたきつける。 だが、土浦は大林一族の一人だ。 手ぶらで来るような人間じゃない。 土浦は、ナイフを所持していたのだ。 自分は勢いのまま避けられず腹部を刺された。 あぁ、山奥の宿の時と同じじゃないか...。 僕は何でこんなにバカなんだろうか。 すいません...大林刑事。 大林「五十嵐!くそっ...!」 土浦「あっはははは!最っ高!!あっははは!じゃぁね!」 大林「待て!土浦ぁぁああ!」 土浦は何の罪悪感もないように軽々とスキップし、どこかへ逃げていった。 くそ...五十嵐。 傷がかなり深い...。 旧友のようにはさせない...! 必ず...生きろ! 大林「おい!五十嵐!救急処置をしたから、病院へ行くぞ。」 タカシ「刑事...すいま...せん。」 大林は五十嵐をおんぶし、病院まで歩いて行った。 くそ...大林一族の生き残りか? 一山の仲間だったやつが独立して大きな組織を作ったのか? どちらにしろ、また悪夢がやってくる。 14年前の俺とは違う。 もう...俺は失敗しない。 死なせない。 必ず...終わらせる。 五十嵐...生きろ...! 病院についた。 目の前は地獄のような景色だった。 患者が何人も運ばれ、医者が大声を出し、 看護師が走り、患者がうめき声を発している。 「おい!早く次の患者の処置をしろ!」 「いてぇぇぇ!」 「心拍数下がってます!」 「娘は!!!私の娘は!!!」 「トリアージ早くして!」 大林「五十嵐タカシ。20代で腹部に刺傷。 傷はかなり深いです。早めに処置してください。」 「わかりました!お疲れ様です。」 そうして五十嵐を病院まで連れて行った。 麻布台ヒルズがここから見える。 黒い煙を上げ、30階周辺が赤く染まっている。 消防車のサイレン。 救急車のサイレン。 警察車両のサイレン。 まがまがしい空気が港区全体に漂う。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加