第二章-Dream again-2

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人ごみのなか、本部まで向かう。 後ろできっとたくさんの人が殺されてる。 2人は走る。 住人を置いて。 門には2人の警察がいつでも閉めれるよう構えている。 熊谷巡査と七海警視だ。 もう傷は治ったんだろうか。 大林「走れ!タカシ!」 行ける。 後...10mほど。 確信してしまった。 こんなときに。 油断してしまった。 自分は、いつまでも、 バカだ。 タカシ「はい!」 大きな返事をした瞬間だった。 それと同時に銃声がした。 大林刑事が撃たれた!? 助けなきゃ...! はやく...! 足を動かせ...? あれ...力が入らない。 噓だ...。 撃たれたのは僕だったのか...? 大林「五十嵐ぃぃいい!」 土浦「あっはははは!ざんねーん!あとちょっとだったのにね!」 すいません。 大林刑事...。 油断してしまいました...。 ごめんなさい。 大林は五十嵐をおんぶし、本部まで走った。 大きい足音とともに、銃声が聞こえる。 そして何度も大林に被弾する生々しい音が耳の中で広がる。 そして、本部へ到着。 熊谷巡査と七海警視が門を勢いよく閉める。 殺し屋達は何かを話し、撤退していった。 大林「五十嵐を...!」 七海警視「救急処置を...早く!」 熊谷巡査「はい!」 そのまま五十嵐は担架に乗り、警察署内に運ばれていった。 中西「とりあえず止血!」 中西警部補...。 川北「ガーゼはやく...!」 穴井「タカシ、大丈夫か!」 穴井「見捨てるわけにはいかない...!」 鑑識官の穴井。 2038年9月26日3:10 午後 中山捜査主任官が会議を仕切っている。 現在、緊急で大林一族の事について会議が開かれている。 田代本部長もいる。 田代「現在、大変な事態となっております。 港区以外からは干渉ができない。」 田代「いわば、袋のネズミです。 外には住人に擬態した殺し屋がうじゃうじゃいます。 なので、気を付けること。そして、事件の犯人を突き止めること。」 田代「以上です、では中山捜査主任官。後はお願いします。」 中山「犯人は大林一族で確定です。14年ぶりの活動再開です。」 中山「そうです、どこに殺し屋がいるかわからないですから。」 七海「一族は何が目的なのでしょうか?」 中山「現在の状況、情報ではまだわかっていません。」 大林「これまで大きい事件を起こせるということは、 上の者と関わっているんじゃないか?」 中山「そうですね、その考えが妥当かと。」 穴井「しかし、港区以外は”干渉できない”なんて可能なんですか?」 鑑識官の穴井が言う。 中山「"普通は"無理です。ですが今、その状況下となっています。」 中山「何らかの手段で確定させたと思われます。」 中山「あ、佐々木さん、放送は使えますか?」 佐々木「え、あはい。」 会議は終了した。 --麻布台-- 「てか聞いた?」 「大林一族えぐいらしいね。」 「電話できないんだけど!」 ザワザワ ピーンポーンパーンポーン [皆さん。現在、大林一族が14年ぶりに活動を再開しました。 今回の事件はかなり大きなものとなっており、wifi、電話、テレビは、 現在使用不可となっております。ご理解とご協力をお願い致します。] 2038年10月9日4:01 午後 大林「すごいですね、中山捜査主任官は。」 中山「いえいえ。」 中山捜査主任官はすごい。 3週間で港区すべての地区に放送したのだ。 努力して、きっと、ここまで来たんだろう。 尊敬だ。 しかし、大林一族が14年ぶりに活動再開か。 随分と大胆な行動にでたな。 まずは、上のほうに連絡するか...。 電話、使えないのか。 「やぁ。」 ...振り返る。 背後に見知らぬ若者がいる。 中山「!?」 大林「...!?」 30代くらいの若者だ。 この本部は関係者以外立ち入れないよう、 頑丈な警備とセキュリティが施されているはず。 なぜ入れているんだ? 大林「誰だ...!」 「怖いなぁ、やめてよ。僕は十田!大林十田!」 大林「一...山...?」 「一山?あぁ、アイツのことね。」 突然フラッシュバックした。 鮮明に思い出した。 友が死んだという知らせ。 一山が大林だった真実。 五十嵐押が仲間だった事実。 自分が仲間を殺したという思い。 大林「うぐおぉぇえ...。」 ボトボト すべて、 すべて、 思い出した。 思い出してしまった。 昨日のことのように、物凄く鮮明に。
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