第二章-Dream again-2

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「僕は一山じゃないよ。アイツは一山だったけどね。」 中山「...!」 中山捜査主任官は大林の背中をさすった。 大林「...お前は...誰だ。」 脱力している中、声を振り絞る。 「だから言ってるじゃん、十田だって。」 大林「お前は、十田じゃない!」 違う。 「は?」 大林「俺の心が覚えてるんだよ!全部!」 お前は、一山じゃない。 十田じゃない。 「...。」 大林「お前は、一山じゃねぇ!」 十田は真剣な顔をして言った。 十田「そうだよ。」 十田「クソ親父から、もらったんだ。」 貰った? 何をだ。 十田「名前を。」 一山。 いつの間に、子を作っていたんだ...? しぶとい奴だな。一山らしい。 重たい体を起こし、銃を構える。 大林「何人殺したと思っている。」 十田「さぁね、10人くらい?」 大林「...!」 セーフティを外す。 十田「ねぇ、そのまま撃つ気?」 大林「何か問題でも...?」 中山捜査主任官が合図を出す。 人差し指に力を込める。 大林「じゃぁな。」 ピューーー 中山「!?」 大林「!?」 水鉄砲...!? いや...そんなはずは...! 十田、お前か? いつだ、いつ変えたんだ。 十田「すごいでしょ!本物の銃を水鉄砲に改造したの!」 大林「ふざけるなぁ!」 十田「僕は、1週間手を出さないつもりだよ。」 中山捜査主任官が険しい顔で言う。 中山「どういうこと?」 そうすると陽気なトーンで十田が話し出す。 十田「まだ準備が完全にできてないんだー!」 十田「一ノ瀬さんの体調も良くないしね!」 は...? 今なんて言った? 一ノ瀬...? 大林一ノ瀬。 それは、一代目の大林。 大正元年に事件を起こした人物だ。 大正から生きているだと...? 生きているとしても相当な長寿だ。 問題はない...と思う。 中山「一ノ瀬?」 十田「あぁ、知らないか!説明めんどいから!じゃあね!」 大林「待て!」 カチャ カチャ スーツを着た男が二人。 隣の部屋から扉を開け出てきた。 不気味な仮面、廃工場の奴と同じ仮面だ。 ハンドガンを構えている。 大林「殺す気か?」 中山捜査主任官が勢いよくスーツの男に向かい、手首をつかむ。 それと同時に大林も同じことをした。 [うぐぅぁぁっ!] 手の痛さでハンドガンを手放す。 偶然人がいた、熊谷巡査だ。 熊谷「大丈夫ですか!?」 熊谷巡査は落ちていた銃を構え、言う。 熊谷「おとなしくしろ!無駄な抵抗はよせ!」 そうして、スーツの男は逮捕された。 2038年10月22日5:12 午後 五十嵐の病室で、大林は考えていた。 一週間。 次に大林一族が襲ってくるのは一週間後だ。 それまでに大林一族は何を準備するんだ? すこし、偵察に行くか? いや、殺し屋がいるな。 タカシ「...っ。」 大林「起きたか!?」 タカシ「すいま...せん。」 大林「いいんだ。大林一族は一週間襲ってこない。」 タカシ「へ?」 大林「だが、一週間後にまた大きな事件が起こる。」 中山「それを阻止するのが我々警察だ。」 いつのまにか中山捜査主任官も部屋の中にいた。 自身満々で名言っぽいことをいった。 タカシ「あ...もう大丈夫です。」 中山「いいか、君が被弾したのは心臓のところだ。」 大林「後1cmで死んでたんだぞ。」 申し訳なさそうな顔とともに低い声で言う。 タカシ「すいませんでした。」 そうして、もう一度大林と五十嵐のコンビが復活した。 後日、中山捜査主任官は死んだ。 不慮の交通事故だ。 噓だ。 何か隠蔽している。 明らかな殺人事件だ、と僕は思っている。 僕は警察として目標が変わった。 大林一変を捕まえるのではない。 その目標は大林刑事と同じ目標だ。 その目標は...。 大林「大林一族は俺が終わらせる。」 タカシ「はい...!」 そう、大林刑事と共に大林一族を終わらせることだ。 おじいちゃんを殺せと依頼したのは大林一族の一人だ。 大林十田。 大林「十田は2人いる。終身刑の本人。そして、昨日現れた十田の息子。」 タカシ「本人はもう終身刑なんですね、じゃぁ、息子も終身刑にしますか。」 大林「そうだな。」
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