第二章-Dream again-2

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中山捜査主任官が亡くなってから3日。 捜査主任官は七海警視へと引き継がれた。 大林「おい、五十嵐。」 大林刑事が急に呼んでくる。 大林「お前、目標は押の仇をとるんだろ?」 タカシ「そうですよ?」 大林「もう達成してるじゃないか。」 確かに、もう篠原は逮捕している。 でも、それは日常の目標であって、 警察としての目標ではない。 タカシ「僕の目標はそれだけじゃないんです。」 大林「...聞かないでおこう。」 大林刑事は深呼吸をして言った。 大林「この事件が終わったら、聞くとしよう。」 タカシ「...そうですね。」 そう言うと大林刑事は僕と反対を歩いて行った。 あぁ、この緊急事態はいつ収まるのだろうか。 大林一族が襲ってくるまであと4日。 時間がない。 2038年10月22日5:27 午前 大林は食堂でコーヒーを飲みながら七海捜査主任官と話していた。 七海「時間がない、ですね。」 大林「そうですね。」 七海「次に大林一族がどんな攻撃を仕掛けてくるか。」 大林「殺人が目当てでしょう、あいつらは。」 すると、七海の顔が急に変わった。 七海「なぜ、そう思うんですか。」 大林「あいつらは、大正から殺人をしてきています。 なら、そう考えるのが妥当では?」 七海「そうですか。」 七海の顔は元に戻った。 しかし、なぜそんなに人を殺すんだろうか。 疑問でいっぱいだ。 そしてなぜ私は人殺しとして育てられなかったのか。 私が父の"最後の希望"だったからか? 何か目的があるのか? ていうか、一ノ瀬の調子が悪いと言っていたな。 いま、一ノ瀬がいるとしたら、そこが大林一族の拠点か? 大林一ノ瀬。 初代大林一族。 大正元年。 殺人。 大体、大林一族はどんな教育を受けていたんだ? 洗脳か? 虐待か? 奴隷か? 大林「う"ぅ"ぅ"!」 ...頭が痛い...! 頭痛...! なんだ...記憶か? あ...やばい...! バタッ 七海「...君は知ることになる。」 七海「一族の真実を。」 ===== 私は、大林一ノ瀬。 1900年に今の廃工場で生まれた、若者だった。 私の一族は、優秀な人材を出してきた。 大林一族は天才的な家系として有名だった。 ほとんど大林一族は国の為に働いていた。 議員。 大臣。 軍隊長。 大林一族は全てに置いて天才的だった。 だが、それ故に孤独。 それ故に、思想が理解されなかった。 次第に、一族は自分たちの考えを理解できない下民共を想い。 今この世で必要なのは優秀な人材である者だけ。 大林一族はそういう思想を持つようになってしまった。 そうして、12年の年月を経て。 計画を開始した。 1912年 2人の親子が殺害された。 殺したのは私だ。 優秀だったのかわからないが、 大林一族は皆、殺害した後自首していった。 そんな生半可な気持ちでは、この世にまたバカ共が生まれてくる。 危機感を持った私は、人の心を捨てた。 そうして、一族の子供たちを洗脳した。 私の思想を押し付けた。 まるで宗教のように。 それから一族は殺人一族へと変貌したのだ。 結局何が目的なのか、それは。 優秀な人材だけを残し、その他馬鹿共を殺す。 天才だけの世界を作る。 これが大林一族のすべての目的だ。 いや、私の自己満足か? 違う、我々の為に自首していった者たちへの贖罪なのかもしれないな。 そして、現在。 その計画の第2段階だ。 我々、大林一族は知能が低い人間共を殺害し、新しい世界を作る。 あと4日で...全ての知能の低い人間が死ぬ...! 素晴らしい...私の望む世界が...すぐそこに...! ===== 大林「...っ!」 大林一族の目的は天才だけの世界を作る? そんなこと...いや。 できるかもな。 あれなら。 タカシ「あぁ!大丈夫ですか!?」 というか、夢を見たの久しぶりだな。 14年ぶりか、20代の頃を思い出すなぁ。 五十嵐、千田、十影、三原。 俺が終わらせるよ、この悪夢を。 大林「あ、あぁ大丈夫だ、少し疲れていたみたいだ。」 大林「大林一族の考えが分かった。」 タカシ「へ?」 大林刑事は何かを理解したような、爽やかな顔をしていた。 まるで、罪から解放されるように。
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