第二章-Dream again-2

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タカシ「警部!」 入り口にいた男は逆光であまり見えなかったが、 あのガタイの良さ、身長のでかさ。 あれは...紫龍警部...! 紫龍「泰然自若。」 十田「...?」 紫龍「「泰然」は落ち着いて物事に動じないさま。 「自若」は何に対してもあわてず、驚かず、落ち着いているさま。」 紫龍「泰然自若、それは。 何事が起こっても落ち着き払って、少しも動じないさま。」 紫龍警部は淡々と話しだす。 まるで一人かのように。 土浦「あんた誰?」 紫龍「名を残すまでもないが、特別に教えてやろう。」 紫龍「おらぁ、麻布警察署の警部。紫龍薊」 土浦「しりゅうあざみ...?」 一ノ瀬「お...おい!紫龍を捉えろ...!」 2038年10月28日11:35 午前 廃工場中に潜んでいた殺し屋が一斉に動いた。 ある者は銃弾を発射し、 ある者は刃物で刺しに行った、が。 一ノ瀬が指示した時にはもう遅かった。 気づくと、ぱっと見30人ほどいた殺し屋が全員倒れていた。 一ノ瀬「うぅぅ...!」 十田「何者だ...!」 土浦「人間じゃねえ。銃弾を何発も食らってるのに...!」 紫龍「すまねぇがよぉ、俺をなめてもらっちゃぁ困るぜ爺。」 紫龍「おらぁ、タカシに猫カフェ付き合ってもらってんだ!」 周りが啞然とした。 3人は目を丸くした。 一ノ瀬「...?」 十田「は?」 土浦「へ?」 2038年10月28日11:36 午前 一ノ瀬が瞬きした瞬間。 拉致していた大林と五十嵐は紫龍の腕の中だった。 そして、十田が瞬きをした瞬間。 紫龍は2人を抱えたまま消えていた。 早すぎる、見えなかった。 紫龍薊による2人の救出、僅か1分。 一ノ瀬「我々には邪魔者が多いものだ。」 十田「真の幸せを知らない愚民共が。」 一ノ瀬「計画は明日の5時といったが、変更だ。」 一ノ瀬「明日の0:00に突撃、殺害。」 十田「御意」 土浦「ok」 2038年10月28日12:13 午後 紫龍「2人とも!大丈夫か!?」 タカシ「少し殴られただけです...。」 大林「私は何も...。」 熊谷「大林一族の拠点は廃工場だったわけですか。」 穴井「七海警視も偽物で、本当は爆死していたとは...。」 穴井「一体、どうなってるんだ麻布台は...!」 そんな話を鑑識官の穴井がしていると、見知らぬ男が歩いてきた。 「皆さん久しぶりですね。」 すると大林刑事と紫龍警部、田代本部長以外、勢いよく頭を下げた。 タカシ「みんな、どうしたんですか?」 熊谷巡査に尋ねてみると、どうやらこの警察署には 5人のスーパーエリートがいる。 1大林一変(おおばやし いっぺん) 2紫龍薊(しりゅう あざみ) 3広瀬蓮人(ひろせ れんと) 4億満四保 (おくみつ しほ) 5朝垣寛 (あさがき ひろし) この5人で結成された課がある。 それは"大型事件特殊対策零課" 大型事件は大体、大林が関係しているため通称"大林課"または"零課" 朝垣は零課の一人であり、大林と同じ刑事なのである。 朝垣「あぁ、大林刑事に紫龍警部じゃないですか。」 なんか、本部の空気がピリピリしている。 熊谷「何しに来たんですか?」 熊谷巡査が唾をのみ、尋ねた。 朝垣「皆さんをお助けしようと思いまして。」 紫龍「んだとぉ!?」 熊谷巡査、穴井が必死に止める。 どうやら大林課は仲が悪い。 朝垣「私は、モールス信号で海外と通信できますし、 人脈も広いです。それに、大林には恨みがありますから。」 大林「...。」 紫龍「まだ疑ってんのか?てめぇ!」 けんか腰な紫龍警部。 無言の大林刑事。 挑発口調な朝垣刑事。 喧嘩を止める熊谷巡査。 はぁ、こんなときに。 なにをしてるんだろうか。 2038年10月28日12:43 午後 大林「...協力してくれ、朝垣。」 朝垣「それでいいんですよ、でも、この事件が終わった後。」 朝垣「大林を一時的に逮捕し、事情徴収します。」 紫龍「もうやめろって!朝垣!」 朝垣「いいえ、私は大林一変を信じません。一生。」 穴井「もうやめましょうよ。」 なんでだ。 大林刑事は被害者だ。 大林一族を変えるために生まれた希望なんだぞ。 知らないのか? 朝垣「一族の希望?ふざけるな!」 朝垣刑事が大林刑事に銃を向ける。 紫龍「やめろ!」 紫龍警部が朝垣刑事に銃を向ける。 大林「...意味のないことだ!」 大林刑事が紫龍警部に銃を向ける。 3人とも銃を構えている、三角形の形で。 3人とも動けば死ぬ、和解をしなければ。 タカシ「仲間割れは良くないです、ましてや明日ですよ?」 熊谷「そうです、明日、大勢の人が死ぬんです。」 穴井「...仲間割れなんて、最高のチャンスじゃないか。」 は? 穴井...? 何を言ってるんだ? 大林「なんだと?」 紫龍「貴様。」 朝垣「...君は。」 穴井検察官が顔を剝ぎ取る。 マスク...? まて...おい。 穴井...だよな? そんな...そんなはずは。 「久しぶりだな、大林。」 大林「一山...!?」
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