第三章-Dream end-3

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黒田工場が全壊し、機動隊の半分が死亡。 付近のパトカーに押しつぶされた警察官も少なくはない。 清水さんは今、がれきに頭を打ち...昏睡状態だ。 井上陸将は清水さんのいる病室で、ボーっとしている。 神木さんは爆風で飛ばされ、鉄筋が胸に刺さり死亡。 紫龍警部は、左腕を骨折。 広瀬さんは、右足が瓦礫に挟まり切断。 後は、擦り傷や、打撲などの軽傷。 タカシ「やられました...ね。」 ちなみに、僕は軽傷で済んだ。 紫龍「何が宣戦布告だ!大林一族!」 紫龍警部が、爆破を阻止できなかった悔しさと、 爆破で骨折した怒りを込め、机を殴った。 熊谷「...。」 張り詰めた空気だ。 警視庁は最悪の雰囲気だ。 2040年6月1日11:21 午前 ここにいてもしょうがない。 清水さんのいる病院へ向かう。 東京大学医学部付属病院だ。 ----- ここが、病室か。 ここに清水さんがいる。 タカシ「失礼します。」 そこには、ベッドに横たわる清水さんと、 その隣で椅子に座っている井上陸将がいた。 まるで、気力がない。 ピッ....ピッ....。 静かに心拍数の音が聞こえる。 それ以外に聞こえるものはない。 タカシ「井上陸将。」 井上「......。」 僕の中で、何かが切れた。 そして、何もかもどーでもよくなった。 奴らには勝てない。 そう瞬時に理解した。いや、してしまった。 だから、あとはもう。 やれることやって、終わろう。 2040年6月1日11:42 午前 タカシ「おい!お前陸将なんだろ!?こんなことでくじけてどうすんだよ!」 僕は勢いよく椅子に座っている、陸将の胸ぐらを掴み 思い切り、思いを叫んだ。 タカシ「清水さんはアンタのなんだよ!」 タカシ「アンタの仕事はなんだ!」 タカシ「いつまでも!いじけてんなよ!」 タカシ「アンタは!そんな奴じゃねぇ!」 言い切った。 でも、足りない。 もっと言いたい。 井上「...。」 しゃべんないのかよ。 いいのかよそれで! タカシ「俺たちが一族を阻止しても!無駄かもしれない!」 タカシ「でもよ!やれることはやってみようぜ!」 タカシ「アンタは...陸上自衛隊だろ!」 井上「...。」 くそったれが。 どいつもこいつも。 心の底から出した。 すべてを込めた。 最後の一言をアンタにあげるよ。 だから、諦めないでくれ...! タカシ「アンタは!陸将だ!」 お願いだ...。 アンタには...弟がいるんだろ...? もう一度、やってみようぜ。 井上「...すまない。」 陸将が重たそうな腕を上げ、 胸ぐらを掴んでいる僕の腕をつかんだ。 井上「...遅くなった。」
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