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封筒の中には、小さな紙切れが丁寧に四つ折りにしてあった。
紙切れを開くとそこには、きれいな字で"D.C."と書かれていた。
ダカーポ...。
なんなんだよ。
タカシ「これは...あの時の!」
一変「まて...まてまて!」
俺は、個室を飛び出した。
そして、携帯を手に取り、連絡をする。
[プー.プー.]
クソっ、特殊隊と連絡がつかない...!
やはり...信じたくないが。
それしかないのか...!
2040年6月1日13:31 午後
走ったその先にあったのは、一山の収容されている部屋だった。
俺は気づくのがおそかった。あれは罠だ。
タカシ「...まさか。」
一変「一山が逃げた。」
かなりまずいな...。
広瀬が一山を助け、逃げた?
トイレは罠...!
部屋には眠っている特殊隊がいる。
4人ほどだ、零課は銃の訓練をしている。
麻酔銃を使ったのか...!?
禁止されているんじゃ...?
いや、俺が愛媛へ逃げた時も麻酔銃を撃っていた。
管区機動隊だ...となると。
管区機動隊に見せかけて、広瀬が狙撃した!?
あの時、フルフェイスマスクで顔が見えなかったが...
あれは...広瀬だ。麻酔銃の使用は固く禁じられているハズ。
最初から...広瀬だったんだ。
やられた...。
俺はただ、立ち尽くすことしかできなかった。
2040年6月1日13:33 午後
タカシ「早くいきましょう!」
一変「あ、あぁ!」
急いで走る、どこへ行ったのかもわからずに。
パトカーのもとへ向かい、乗車する。
タカシ「一体どこへ...。」
一つ、心当たりがある。
あそこだ、たぶん。
一変「廃墟だ。」
五十嵐は驚いたように言った。
タカシ「どこのですか!?」
一変「わからん!けど、とりあえず走る!」
分からない、どこだ。
廃墟は、あの夢に出てきた廃墟は...どこだ。
探せ...探せ!
夢を思い出すんだ!
鮮明に!
2040年6月1日13:45 午後
着いた...ここだ。
その廃墟は、ホテルだった。
入口の上には、"タナカイHOTEL"と書いていたであろう
看板の"L"と"イ"が錆び落ちた、ボロボロの看板がある。
タカシ「タナカHOTE...?」
一変「タナカイHOTEL...ねぇ。」
どうする、相手は夢の中換算すると3~4人。
対して俺は今、タカシと自分で2人。
確実に死ぬ。
タカシ「いきましょう!」
一変「まて、行ったら死ぬ。」
そう発言した後、
スマートフォンを手に取り、電話をかける。
[もしもし...了解。]
[タナカイHOTELへ向かう。]
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