閉じ込めた光の姿は

今、国民総カメラマン時代とか言われる様になったのは、携帯電話のおかげだよね。

ガラケー、そしてスマホの登場で、手軽でスピーディーな撮影が可能になり、しかもその写真をネットですぐ共有出来るようになった。
今撮った写真が秒で地球の裏側まで。正に魔法の箱ですよこんなの。

だけど、スマホを使わずに写真を撮れと言われれば困る人は多いだろう。他のカメラなんて使い方が分からない人だっているだろう。
だってスマホがあるのだから。

カメラにはピンからキリまであるけど「ちゃんとしたカメラ」を使うには知識が必要だし面倒臭い。みんなそう感じているんじゃないかな。

さて、僕が写真屋さんになった約三十年前は、当然ガラケーもデジカメもなかった。それどころかカラーコピーさえまだ実用化されていなかった。

写真を撮りたいと思ったらカメラが必要だ。
カメラにはピンからキリまであるけど「ちゃんとしたカメラ」を使うには知識が必要だし面倒臭い。みんなそう感じていたんじゃないかな。

面倒な操作がいらない、簡単な事を売りにしているカメラもちゃんとあったよ。アイドルがCMしてたりね。レンズ付きフィルムという凄い発明もあった。

でも、それでも常にカメラを持っている人なんてめったにいなかった。
だってスマホが無かったのだから。
いきなり写真を撮れと言われても困るってものさ。カメラなんて使い方が分からない人だっていたし。

だからね、カメラって可哀想だと思うんだ。
ずっとソロで頑張って来た実力派が、スマホというスーパーグループの一員としてやっと大ブレイク！今ならセンターだって張れる！
だけど仕事はスマホ関連ばっかり、ソロではやっぱりさっぱり。
カメラくん、闇堕ちしてなけりゃいいんだが。