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人の心は、そして恋は。
何にも勝る強い光源だと思う。
彼女に出会えた事で、僕の世界は幸せの光で真っ黒に感光したのだ。
単純な奴だと笑うがいいさ。だが、アプリで加工しまくってスタンプを押した複雑なデジタルフォトと、白と黒の濃淡だけで全てを写し出した修正さえ出来ないモノクロ写真。
どちらが奥が深いだろうか。
眺めて飽きないのはどちらだろうか。
今の時代、この答えも変わっているのだろうか。
ちゃんとした恋をするのは面倒臭い、難しいと思っていた。
だって恋人がいなかったから。
ずっと孤独に頑張って来た僕の人生が、恋人という光を得てやっと大ブレイクだ。今なら何だって出来る。
そうして僕はまた、真っ直ぐにファインダーを覗いていた。前だけを見ていた。
これからももっと写真が撮れると思っていた。
別の所から大きな光が、僕らに迫っていたのに。
そう、バブル崩壊だ。
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