4.鈍感と敏感

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4.鈍感と敏感

旭は首筋から胸板を触り、乳首にたどり着く。少しだけ摘むと一瞬、佐々木の体が揺れた。それでも起きないことを確認すると旭は顔を近づけ、その突起に口をつけて舐める。 空いている乳首を掌で転がしながら、寝顔を見ていた。自分の右手を伸ばし佐々木のボクサーパンツをずらして、すっかり完勃ちしたソレに触れた。 (大きいな……) 片手で握ろうとしたが全部を握れない。体型の割には立派で、膨張した血管が生々しい。少しだけ扱いていくと、あっという間にヌルヌルしてきた。乳首から口を離し佐々木のそのソレに顔を近づける。自分の動悸が激しくなるのを感じながら大きく口を開くと、そのまま咥えた。 「ん……ぐ」 成人男子にしては小顔の旭の口では、佐々木の大きなモノを全て咥え込むことが難しい。それでも旭は佐々木を感じたくて、必死に咥えた。口で扱くうちに苦い味がしてきたことに気づく。 (先走り、かなあ) 口を離して今度は舌で刺激してみる。アイスキャンデーを舐めるようにしてみたり、先端をツンツンと突いてみたり。これだけ刺激して、体もどんどん反応してきているというのに、本人は今だに眠ったままだ。旭は苦笑いしながら、今度はすっかり大きくなってしまった自分のソレを下着から出して扱き始めた。 「ん……」 自慰しながら佐々木のを舐めているうちに、段々と息が上がってくる。舐めていた口を離し、今度は自分のソレと佐々木のを重ねるように持って両手で包み込み、二本を一緒に扱き始めた。今までネットでしか見たことがなかった、『兜合わせ』を佐々木とやることになるなんて、と旭は虚ろな目をしながら感じていた。 「は……ッ」 ぬちゅぬちゅと音を立て、頂点へと目指しながら旭は佐々木の顔を見る。まだ眉間にシワを立てたまま眠っている。こんな状態になっても、目が覚めないなんて。もしも今目が覚めたところでどう言い訳もできないし、もう自分のこれを止めることなど無理だ。 「あ……佐々木……っ」 ぎゅっと目を瞑り、その瞬間、ボタボタボタと白濁したものが佐々木の腹に撒き散らされる。そして旭が撒き散らした数秒後に、今度は佐々木が果てた。 「は……」 旭はしばらく放心した後、我に返って青くなった。佐々木の体をすっかり汚してしまったからだ。余韻を楽しむどころではなく、慌ててティッシュとタオルで佐々木の体を拭いた。どうにか浴衣にはつかなかったようで、安堵する。 綺麗に体を拭き、下着を履かせて浴衣を羽織った。適当に紐で結び、その上から布団をかけてやった。これで何もなかったかのように、朝を迎えれば良い。 自分の体も綺麗にした旭はそのまま寝ようとしたが、不意に部屋の匂いが気になった。 (……ちょっとだけ、窓開けておこうかな) 窓を開けると、少しひんやりとした空気が室内に入りこんだ。さっきまでの濃厚な時間が嘘だったかのように、あたりは静かで、もしかしたら夢だったのではないかと思うほどだ。旅館の側を流れる小川の音を聴きながら、旭はふう、とため息をついた。 佐々木が起きなかったとはいえ、ここまでやってしまうとは……。明日からまともに顔がみれるだろうか。 冷蔵庫に置いてあったミネラルウオーターを飲み、電気を消すと佐々木が眠る隣の布団に入り込む。スースーとまだ寝息が聞こえる。 (それにしても、全く起きないんだな) 苦笑いしながら、旭は目を閉じるとすぐにふわふわと眠りに落ちていった。
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