一日の終わりに

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一日の終わりに

1時間半くらいみっちり勉強して窓の外はすっかり暗くなっていた。 今日は満月が明るい。 それに気が付いた奥田くんは何故だか寂しげに窓の外の暗闇を見ていた。 それから気を取り直すように時計を見てノートを閉じた。 「さぁ高山くん夕飯の時間だよ。食堂へ急ごう」 これから食堂で夕飯を食べてその後は部屋で読書。 それから風呂に入り歯を磨いて早めに寝る。 これが毎日の決まりだ。 正直言うと息が詰まる。 午後8時55分。 奥田くんは髪をドライヤーで乾かし終え、明日の授業の準備をしている。 「あれはある。あのノートも準備した。服も用意したしもう大丈夫だ」 ぶつぶつと確認の独り言を言うとさっそくベッドに横になった。 「じゃあおやすみ。高山くん」 そう言うと奥田くんは目を閉じた。 相変わらず時間通りの決められた行動。 奥田くんは眠る時には必ず小さなライトをつけっぱなしにする。 なかなか寝付けない時は小さくラジオをかけたりもする。 そして一度眠りにつくと朝までぐっすり起きない。 僕は奥田くんが完全に寝たのを確認するとそっとベッドから降りた。 物音をたてないように部屋の扉を開けて廊下に出る。 バレていない。うまくいったみたいだ。 ようやく自由だ。
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