第1話たんぽぽを食べる女

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「あらあら……困りましたねぇ。とりあえず戻りましょう」 「あいあいさー」 骨の馬2頭の手綱を引いて、Uターンさせようとするが、なかなか言う事を聞かない。 「こっちこっちー」 ピンクとヒマラヤで一緒に引っ張っていると…… ちょっとした力が働いてしまったのか、1頭がバラバラになってしまった。すると驚いた馬が勝手に駆け出してしまうのだ。 「あぅー!!」 「と、止まってぇ!!」 止まっていた所が運悪く、崖に近いそこから駆け出せば、馬車は片輪が落ちてしまい…… そのまま重力に逆らえず、落下してしまう。かなりの高さから落ちてしまい、馬車がバラバラになるのは間違いないだろう。振り落とされた2体も同じように落ちていく。 「あいやぁ!!」 「たちけてぇ!!」 「きゃはは♪楽しいですわ♪」 落下してても楽しそうにしているお姫様。そのまま恐れずに、馬車は地面に衝突、バラバラになって、森にその轟音が鳴り響く。 魔族の凄い所はその生命力。 軽く30メートルはある高さから落ちたとしても…… お姫様は無傷だった。 残骸から出てきた彼女、重たいそれも簡単にはねのけて、すっかり汚れて出てきた。 「とんだトラブル……でも楽しかったですわ♪あれ……ピンク?ヒマラヤ?」 辺りを見ると、割れたドクロのお面が2つ。 「きゃー!ピンク!ヒマラヤ!」 流石に慌てた姫はそれに駆け寄り、集めた。 しかし、死ぬことはないようだ。そのお面から声が聞こえる。 「いたいよー」 「割れちゃったよー」 「まったくもう……貴方達は」 「ごめんなさぁい、しばらくねんねしますぅ」 「破片は全部回収してくだぁい」 そう言い残して、声が聞こえなくなってしまった。 しばらく活動停止をするだけで、また復活するのか、悲しんだりはしなかったが…… 流石に1人になれば、不安な顔は拭えなかった。 「どうしましょう……」 そんなトラブルに見舞われて、破片を全部袋に詰めると座り込んで考えるお姫様。 これから先、どうしようかと悩む彼女。すると空腹でお腹が鳴った。 「きゅぅ……流石にお腹が空きましたわ」 魔界の入口からアドランド城は近く、食料等は持っていなかった姫は辺りを見渡す。 すると……ほのかに香る何かに気がつくと、四つん這いのまま、そこに向かっていった……
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